既報の通り、5日にIntelが第6世代Coreプロセッサと新チップセット「Intel Z170 chipset」を発表した。これに合わせてマザーボードメーカー各社からも、Z170を搭載したマザーボードが続々と発表された。ここではGIGABYTEのZ170マザーボードについて紹介したい。
GIGABYTEは、COMPUTEX TAIPEI 2015で100シリーズマザーボードを数多く展示していたことも記憶に新しい。いまのところ、ゲーミング向けシリーズ6モデル、スタンダードシリーズ9モデルの計15モデルをそろえる。5日の時点では、スタンダードシリーズに属する「GA-Z170XP-SLI」「GA-Z170M-D3H」「GA-Z170-HD3 DDR3」が発売されたが、そのほかのモデルも順次発売する予定だ。
各モデルの発売予定時期、価格は以下の表にまとめる。
■ゲーミングシリーズ | ||||||
製品名 | GA-Z170X-Gaming G1 | GA-Z170X-Gaming 7 | GA-Z170X-Gaming 5 | GA-Z170X-Gaming 3 | GA-Z170MX-Gaming 5 | GA-Z170NX-Gaming 5 |
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フォームファクタ | ATX | ATX | ATX | ATX | マイクロATX | Mini-ITX |
発売時期 | 8月中旬 | 8月中旬 | 8月中旬 | 8月下旬 | 9月上旬~中旬 | 9月上旬~中旬 |
価格(税別) | 74,000円前後 | 33,990円前後 | 24,990円前後 | 19,900円前後 | 未定 | 未定 |
PCIe 3.0スロット | x16×2、x8×2、x1×3 | x16×1、x8×1、x4×1、x1×3 | x16×1、x8×1、x4×1、x1×4 | x16×1、x8×1、x1×3 | x16×1、x8×2、x1×1 | x16×1 |
USB 3.1 | Type C×1、Type A×1 | Type C×1、Type A×1 | Type C×1、Type A×1 | Type C×1、Type A×1 | Type C×1、Type A×1 | Type C×1、Type A×1 |
■スタンダードシリーズ | |||||
製品名 | GA-Z170X-UD5 TH | GA-Z170X-UD5 | GA-Z170X-UD3 | GA-Z170XP-SLI | GA-Z170-HDP 3 |
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フォームファクタ | ATX | ATX | ATX | ATX | ATX |
発売時期 | 8月中旬 | 8月下旬 | 8月中旬 | 8月中旬~下旬 | 8/5 |
価格(税別) | 25,800円前後 | 23,800円前後 | 19,900円前後 | 17,900円前後 | 15,990円前後 |
PCIe 3.0スロット | x16×1、x8×1、x4×1、x1×3 | x16×1、x8×1、x4×1、x1×4 | x16×1、x8×1、x4×1、x1×3 | x16×1、x8×1、x4×1、x1×2 | x16×1、x4×1、x1×2 |
USB 3.1 | Type C×2 | Type C×1、Type A×1 | Type C×1、Type A×1 | Type C×1、Type A×1 | Type C×1、Type A×1 |
■スタンダードシリーズ | ||||
製品名 | GA-Z170MX-D3H | GA-Z170N-WiFi | GA-Z170-HD3 DDR3 | GA-Z170M-D3H DDR3 |
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フォームファクタ | マイクロATX | Mini-ITX | ATX | マイクロATX |
発売時期 | 8月中旬 | 8/5 | 8月下旬 | 8/5 |
価格(税別) | 14,800円前後 | 17,900円前後 | 14,800円前後 | 未定 |
PCIe 3.0スロット | x16×1、x4×1 | x16×1 | x16×1、x4×1、x1×2 | x16×1、x4×1 |
USB 3.1 | なし | なし | なし | なし |
備考 | DDR3対応 | DDR3対応 |
GIGABYTEのZ170マザーボードは、USB 3.1のオンボードサポートおよびType-Cコネクタの実装がトレンドとなっている。USB 3.1はIntel製USB 3.1チップ(Alpine Ridge)によるサポートで、Thundernolt 3に対応するモデルも多い。また、「GA-Z170X-Gaming G1」「GA-Z170X-Gaming 7」「GA-Z170X-UD5 TH」といった上位モデルでは、HDMI 2,0やDisplayPort 1.4もサポートする。
スタンダードシリーズは、黒とゴールドを基調としたデザインに対し、ゲーミングシリーズは黒と赤がベースのボードに、白と赤のヒートシンクやバックパネルカバーを備え、これまでよりも目を引くデザインとなっている。ヒートシンク自体もどことなく流線型でF1カーのカウルをイメージしたという。
上位モデルには、PCIeスロットに金属製のシールドを取り付けている。このシールドは、重量のあるハイエンドグラフィックスカードの装着によるスロットのダメージを防ぐほか、シールドをグラウンドに接地することで、静電気やノイズからスロットを保護する。
金属シールド加工を施したPCIeスロット。他社でも同様の機能を採用したものがあるが、GIGABYTEでは、スロットの耐久製向上だけでなく、静電気によるダメージ防止やノイズガードといった面をアピールする |
このほか、インタフェースで注目したいのはストレージ関連で、M.2スロットを2基備えているのもポイントだ。それぞれPCIe Gen3 x4接続に対応し、高速の転送速度を実現することに加えて、RAIDも構築できる |
ストレージ関連では、Intel 750 SSDで採用するU.2コネクタへの変換ボードも用意する。上位モデルには付属されるほか、別売りでの提供も予定している |
外見的な特徴としては、マザーボードに内蔵されたLEDによるイルミネーション機能「LED Trace Path」も挙げられる。LEDの色や発光パターンは、付属のアプリケーションから設定できる。
「LED Trace Path」。X99マザーボード辺りから、こうしたイルミネーション機能に力が入れられ始めたように感じる |
少し分かりにくいが、ヒートシンクのロゴ部分やオーディオ回路周辺、手前側のマザーボード端辺りが光っている |
内部の機能に目を向けると、まずクロックジェネレーター「TURBO B-CLOCK」の搭載が挙げられる。SkylakeではBLCKを1MHz単位で調整し、オーバークロックに対応する。「TURBO B-CLOCK」90Hz~200Hzの間で柔軟にBCLKを調節できるという。
また、ゲーミングシリーズでは、LANコントローラにKillerシリーズを採用するが、中でも最上位モデル「GA-Z170X-Gaming G1」は、2系統の有線LAN「killer E2400」と1系統の無線LAN「killer Wireless-AC 1535」による「Killer DoubleShot-X3 Pro」を備える。それぞれのkillerコントローラを連携させ、ゲームやストリーミングでの動画視聴など、それぞれのアプリケーションで利用するネットワークを振り分けることで、マルチタスク時のラグを軽減するとしている。
オーディオ面では、WIMAコンデンサとニチコン製コンデンサの採用に加え、USB DAC向けに安定した電力を供給する「USB DAC-UP」といった強化が行われている。また、「GA-Z170X-Gaming G1」ではCreative Sound Core3DオーディオプロセッサとバーブラウンのハイエンドDACを搭載することで、サウンドカードに並ぶ音質を提供するとしている。
また、以前からゲーミングシリーズの一部モデルで交換可能なオペアンプを搭載していたが、「GA-Z170X-Gaming G1」の場合、フロントは1基、リアは左右のチャンネルでそれぞれ1基ずつ、合計3基のオペアンプを備え、好みに合わせて交換できる。
さて、GIGABYTEのZ170マザーボードを紹介してきたが、上位モデルではかなりの機能を盛り込んできている。もちろんハイエンドからメインストリーム、エントリーとグレードが変われば、搭載される機能は絞りこまれるが、エントリーグレードの「GA-Z170-HD3 DDR3」や「GA-Z170M-D3H DDR3」では、DDR3のサポートというほかにないフィーチャーもあるので、自分に必要な機能と価格のバランスを考えながら選ぶといいだろう。