三菱UFJ信託銀行は、5月にドイツ証券取引所の子会社のSTOXX(ストックス)社と協働し、インデックス提供ビジネスに参入することとしたが、このたび、STOXX社と高ROEの日本株に投資するスマートベータインデックス「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ 150 インデックス」を共同開発したと発表した。

投資コストを抑えながら、高い運用効率の実現を目指すインデックス

スマートベータインデックスは、上場全銘柄の時価総額への単純連動などの従来型パッシブとは異なり、銘柄選択や加重方法に投資理論に基づく付加価値を加えるなどアクティブに近い運用手法により、投資コストを抑えながら、高い運用効率の実現を目指すインデックスで、欧米を始めとする世界の資産運用市場で急速に成長・拡大しているという。

インデックス提供ビジネスで欧州最大のSTOXX社と組むことにより、同社の顧客である海外投資家に販路を拡大すると共に、同社が日々算出・公表するインデックスを国内外の資産運用会社に提供し、運用商品の組成が可能となるという。

継続的に高いROEを実現するポテンシャルを持つ150社の企業群から構成

金融工学専門の研究機関である三菱UFJ信託銀行の子会社の三菱UFJ投資工学研究所(MTEC)と共に定量分析を行った結果、高ROE(株主資本収益率)企業のうち、一定の条件下における高ROE継続銘柄にかかる株価収益率が高いことが判明した。

このたび開発した「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ 150 インデックス」は、単年度だけでなく、継続的に高いROEを実現するポテンシャルを持つ150社の企業群から構成されているとしている。

「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ 150 インデックス」の概要

  • 構成銘柄数:150銘柄

  • 投資対象ユニバース:STOXX JAPAN 600(東証上場銘柄から流動性の高い銘柄で構成)

  • 銘柄選定基準:ユニバース採用銘柄のうち、高ROEかつ、(1)財務健全性、(2)キャッシュフロー収益性、(3)利益安定性の3点に着目し高ROEの継続性を評価し、銘柄を選定

  • 銘柄入替:6月と12月の年2回

  • 算出方法:浮動株調整時価総額加重型(2.0%キャップ付き)

三菱UFJ信託銀行は、国内の年金運用で培った開発力と、STOXX社のインデックス算出・管理ノウハウの融合によりインデックス提供ビジネスに参入し、国内外の顧客のグローバルな資産運用ニーズに応えていくとしている。