――8月のアップデートでは、これまで対応していなかった「フレンド」と一緒にバトルに参加できる機能が追加されるとのことですが、これまではほぼすべてランダムで対戦相手が決まっていたことで「人間関係のわずらわしさがない」という面で評価されていた方もいるのですが、ランダムマッチが好みの人とフレンドで遊びたい人との住み分けはどうなりそうでしょうか?
■作・編曲家 ・こおろぎ (32)・男性
■お気に入りのブキ:プロモデラーMG
スプラトゥーンのためにWii Uも一緒に購入。はじめてゲーム機を買いました。それほどまでに、見てるだけでも楽しさが伝わってきました。僕はオンラインゲームでは人間関係が発生するのがめんどくさいなと思っているタイプなのですが、スプラトゥーンは人間関係に煩わされず、スポーツのようにスッキリと楽しむことができます。マッチングで敵味方がランダムになったり、味方にも「ナイス」など、ポジティブなメッセージしか送れません。このあたりの設計はかなり配慮を感じます。
野上 : 基本的に、今の「レギュラーマッチ」「ガチマッチ」と、新しく追加される「タッグマッチ」は、マッチングを完全に分けようと思っています。フレンドとタッグを組んで挑むんですが、タッグを組んで戦うヒトはおなじくタッグを組む人同士で戦うので、状況は同じです。タッグを組んだ人たちがランダムに集まった人たちと戦って、勝手を知っている人たちのほうが有利になってしまうような状況にはならないようにします。基本的には有利不利が発生したりということはなるべくないようにします。
――ガチマッチの新しいバトル形式「ガチホコ」について、なぜシャチホコがモチーフになったのでしょう?
井上 : "ありがたそう"なものにしたかったんです。
野上 : すでに公開されているガチヤグラも、お祭りなどで組まれる「やぐら」、ありがたい場所をみんなで奪い合ってるんですよ。
野上 : ガチマッチのシャチホコだから「ガチホコ」という、だじゃれから来ている部分も少しあるんですが。お祭りのおみこしみたいに、みんなが集まるようなものを選びました。
井上 : もともとまちに狸や狐がかざってあったりするんで、ああいう縁起ものが出てくるのもごく自然に発想しました。
――御利益、というか。
野上 : そうです、何かいいことがありそうという。縁起を担いでいる感じです。
――ほかのアップデート要素についても、内容や魅力を教えていただけませんか?
ブキやギア、BGMを追加します。BGMはあまり予想されていなかったようなので、サプライズになったかもしれません。
――BGMについて、かなりクリエイターからの期待は高いですね。聞き取りをした際、コメントのほかに「サントラはまだ出ないのでしょうか?」と私宛に質問を頂戴したくらいです。
野上 : ゲーム全体だけでなく、その中の一部分にも期待していただけているというのはすごくありがたいですね。今までゲームそのものに強く注目してなかった方にも、たくさん興味を持っていただいているのだなと実感しています。
――ハイカラシティの広場で見られるイラスト(Miiverse)には日々さまざまなプレイヤーのイラストが現れるなど、同作はゲームをプレイするだけでなくファン発の創作物もさかんに発表されていますね。今スプラトゥーンで遊んでいるクリエイターに向けてひとこといただけますか?
※Miiverse(ミーバース):世界中の人たちがMiiを通じてつながる、Wii Uに内蔵されたネットワークサービス。ゲームの中での体験をさまざまな形で世界中の人と共有することができる。
井上 : Twitterなどでいろいろと拝見していると、沢山のクリエイターの方に遊んでいただいていて、身が引き締まる思いですね。光栄で、それが原動力になっていたりもします。
また、作っていただいたファンアートや創作物を、見られる限りは見ています。そういうものと比べてこちらも負けないように、アップデートや情報発信をしていきたいなと思っています。創造力で負けないようにしたいですね。
スプラトゥーンのゲーム中に“イカ娘”のギアが登場したようだ。
なるほど、先ほどのイラストはこういうことだったのか!
これらのギアはアップデート以降、ブイヤベースに陳列されることがある。
すべて揃えてイカ娘気分に浸ってみるのも一興だ。 pic.twitter.com/jTd5kwO8CD
— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2015, 8月 6
野上 : 正式にコラボレーションさせていただいた「侵略!?イカ娘」の安部真弘先生は、E3で最初にスプラトゥーンを発表した直後にはファンアートを描いていらして、その後もこちらが情報を出すたびに描いてくださっていたんです。それを見て、こちらも応えたいなとずっと思っていたこともあって、コラボレーションが実現しました。
安部先生はスプラトゥーンをやりこんでいただいているようで、ガチマッチのウデマエはA+の99でカンストされているそうなんですね。これだけ遊んでいただけるのは嬉しいのですが、本業の漫画の方が心配になったりもします(笑) もちろんご自身の作品と「イカ」という共通点があるところでも興味もたれたのかと思うのですが、ゲームの内容にも共感いただいて、非常にありがたいなと思っています。
――最後に、「スプラトゥーン」をこれから遊ぼうとしているクリエイターに向けて、メッセージをお願いいたします。
井上 : このゲームは、自分たちでゲームを作ることを楽しんだというか、デザインすること自体の本質を楽しんだようなところがあります。高校生のころ、デザインの勉強をし始めたくらいの時に憧れていて、ああなりたいという感じのものを素直に出しています。なので、プレイしていただくことで、例えばコスプレしたい!だとか、イラストを描きたい!とか、「何かを作りたい」というエネルギーを感じていただければ嬉しいです。
何か作りたいと思ったら、ぜひ遊んでみてください。熱中するとすぐ時間が経ってしまうんですけど…。ただ、プレイしていればランクは上がっていくので…。
野上 : バトルに参加し続けていれば、あの世界ではイカしたやつになれますからね(笑)
そうですね、クツのデザインひとつにしてもすごくこだわって、「自分がクツを作るならこういうデザイン」というふうに、クツの好きなデザイナーがこだわりも持って作っていますので、そういった「こだわり」とか、「大好き」という気持ちだとかが、クツひとつ見てもにじみ出ていると考えています。
そういうものを積み重ねて作ったゲームなので、クリエイターの方にも共感し、呼応していただけているのかなと思います。僕も良い作品をみると刺激を受けるので、お互いに刺激を受け合って、それぞれ高みにあがっていけたらと思っていますので、これからも頑張りましょう、とお伝えしたいです。このゲームが、何かに踏み出すきっかけの一助になると光栄です。
(c)2015 Nintendo