皆さんは、外出中に財布を落として、「ヒヤッ」とした経験はありませんか? 現金ならまだしも、カード類や身分証などが悪用されたら……と考えると、何から対処していいのか分からずパニックになってしまいますよね。財布を失くしたときに何をすべきか、順を追って確認していきましょう。
慌てずに、まずは警察に連絡しよう
最初にすべきなのが、警察への連絡。最寄りの交番に行き、紛失届を提出してください。紛失した日時や場所、財布の特徴などの記入内容をもとに、近隣の警察署に問い合わせてくれます。運よく既に警察署に届けられていたら、そのまま回収の手続きへ。届けられていなければ、受理番号というものが発行されます。この受理番号は、今後の色々な手続きで必要なものなので、控えておきましょう。ちなみに地域によっては、電話やインターネットでも紛失届を提出できる場合もあります。紛失届を出していれば、もしカード類が悪用されたとしても、自分が利用したのではないということが証明され、きちんと補償されるので安心です。
次にカードを停止しよう
次に、カード類を停止しておきましょう。まずはクレジットカードと銀行のキャッシュカード。クレジット会社や銀行の問い合わせ番号は、たいていクレジット会社または銀行のホームページに書いてあります。しかも基本的に24時間対応なので、まずはそこに電話をしてください。本人確認を済ませたあと、紛失した状況や、警察で発行された受理番号などを聞かれます。また、自分が最後に利用したのがいつか分かれば、利用照合により不正利用が行われていないかどうかも確認することができます。
ちなみにクレジットカードは、この電話で再発行の手続きも行うことができます。再発行した場合、カード番号も変更になるので、公共料金やAmazonなどと口座を連携させている方は忘れずに登録の変更をしてください。
銀行のキャッシュカードの再発行は、銀行窓口での申請が別途必要です。その際に再発行手数料がかかったり、印鑑が必要になる場合がありますので、何が必要か事前に最寄りの銀行窓口に電話で確認しておくといいでしょう。
PASMOやSUICAなどのICカードは、最寄りの駅の窓口にて利用停止と再発行が可能です。そして忘れがちなのが、TSUTAYA等のレンタルカードや、家電量販店等のポイントカード。これらも直接お店に問い合わせて、利用停止の手続きをしましょう。
身分証の再発行も忘れずに
カード類を停止させて一息ついたら、身分証の再発行を行います。残念ながら、免許証や保険証は停止手続きができないので、再発行のみをすることになります。免許証は、免許試験場か免許センターに行けば手数料はかかりますが、その日のうちに再発行できます。ただし、身分を確認するものとして住民票の写しが必要になります。
保険証は、国民健康保険であればお住まいの市区町村の役所へ、社会保険や組合保険であれば勤務先へ連絡し、手続きを行います。学生証や社員証なども、会社や学校に連絡して再発行を行ってください。特に社員証は、できるだけ早く会社に連絡した方がトラブルを避けられるでしょう。
万が一、身分証が悪用されて料金などを請求されたとしても、本人の意思によるものではないため、支払う義務は発生しません。どうしても不安な方は、信用機関の「本人申告制度」を利用しましょう。日本信用情報機構(JICC)などの機関に紛失を届け出ると、個人信用情報の審査を従来よりも慎重に行ってくれるようになり、悪用を未然に防ぐ効果があります。不安な場合は届出をしましょう。
財布を失くしたときには、当てもなくお店を歩きまわったりせず、冷静に対応することです。起きてしまったことは悔やんでも仕方がないので、どれだけ被害を小さくするかを考えましょう。
そして、落としたときにどう対処したらいいかがわかるように、あらかじめお財布の中に何が入っているかを今一度確認しておきましょう。また、銀行やクレジットカードの番号を控えたり、不要なカードは持ち歩かないなどきちんと整理して、お財布の中身を明確にしておくことが大切です。
株式会社回遊舎
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。