日立製作所はこのほど、英国で鉄道システム事業を行う同社子会社の日立レールヨーロッパ社が、鉄道運行会社のファーストグループ社とその子会社であるファースト・グレート・ウェスタン社との間で、標準型都市間車両「AT-300」173両(29編成)の納入および車両の保守に関する正式契約を締結したと発表した。

納入する標準型都市間車両「AT-300」のイメージ

173両29編成の内訳は、9両編成7編成と5両編成22編成。英国都市部のロンドン・パディントンから英国南西部のプリマスやペンザンスを結ぶ主要路線で利用されている高速車両の置換えとして投入されるという。

納入する「AT-300」は、2012年に日立が受注した英国運輸省の都市間高速鉄道計画(IEP)向けに設計された「Class800」シリーズをベースにしており、電化区間と非電化区間の両方を走行できるように車両床下にディーゼルエンジン付き発電機を搭載。今回納入される車両では、走行区間にある急勾配への対応として、エンジンの出力をIEP向けの車両よりも向上させたという。

また、ロンドン~ニューベリー間の電化区間に加え、プリマス~ペンザンス間の長い非電化区間をディーゼルエンジン付き発電機からの電力を使用して走行するため、IEP向けの車両よりも大型の燃料タンクを装備している。