ドイツのアウディはこのほど、米国のソノマ・レースウェイにて、最新世代の「RS 7」自動運転コンセプトカーによるデモ走行を7月に公開したと発表した。世界で最もチャレンジングなサーキットのひとつといわれるこのサーキットで、同車はプロドライバーに匹敵するパフォーマンスを披露したという。
アウディはフラッグシップである「A8」の次世代モデルで、自動運転の実用化を計画している。サーキットを開発の場に選んだ「RS 7」の自動運転コンセプトカーは、何ラップにもわたって物理的限界まで追い込んだ走行を実施したが、一貫した正確さで課題を成し遂げた。プロドライバーに匹敵する正確で効率的な運転スキルで、一周4,050mのサーキットを2分1秒01のタイムで周回したという。
近年、アウディは徐々に厳しい条件下で自動運転の実験を行ってきた。2014年10月には、「ボビィ」というニックネームで呼ばれた「RS 7」ベースの実験車が、ホッケンハイム サーキットをドライバーなしに最高速度240km/hで走行している。「ロビィ」というニックネームが付けられた今回のテスト車は、560PSものパワーを発生し、重量は前のモデルより約400kgも軽くなっている。
アウディは実際の道路交通環境でも自動運転の開発を行っている。今年初めに「ジャック」と命名された、生産モデルに近い「A7」の自動運転コンセプトカーは、シリコンバレーから「コンシューマーエレクトリックショー(CES)」が開催されるラスベガスまで、一般のハイウェイなどを通って自動運転で移動。そのすぐ後には、同じクルマがドイツのアウトバーン上で130km/hまでの速度で自動運転を行った。
アウディの自動運転は、「A8」の次世代モデルで実用化が図られ、駐車時の操作や、フリーウェイなどにおける60km/h以下での加減速、停止、再発進などの操作を自動化する見込みだ。