国土交通省はこのほど、2014年の全国の水害被害額(暫定値)が約2,850億円に上ったと発表した。過去10年間で7番目の大きさとなった。

台風12号・11号の被害額は約902億円

被害額の内訳は、公共土木施設が約1,542億円、一般資産等が約1,208億円、公益事業等が約100億円。なお、被害額には、人的損失、交通機関の停止などによる波及被害、被災企業の部品・製品供給機能、本社機能等の損失による他地域の企業への影響等に係るものは含まれていない。

主な水害の被害状況を見ると、2014年7月29日~8月12日に発生した台風12号・11号は四国地方を中心に浸水被害などを引き起こし、被害額は約902億円。また、8月13日~26日の豪雨により広島県や京都府などでは土砂災害や浸水被害が発生し、被害額は約886億円に上った。

土砂災害による甚大な被害(広島県広島市)(出典:国土交通省Webサイト)

都道府県別の水害被害額上位3県は、広島県の約446億円、高知県の約272億円、京都府の約229億円となった。

都道府県別水害被害額(暫定値)(出典:国土交通省Webサイト)

被災建物棟数は2万8,206棟で、内訳は、床下浸水が1万9,503棟、床上浸水が7,772棟、半壊が669棟、全壊・流失が262棟。浸水区域面積は1万2,046ヘクタールで、内訳は、農地が8,811ヘクタール、宅地・その他が3,235ヘクタールとなった。

那賀川水系那賀川の氾濫で中学校が浸水(徳島県阿南市)(出典:国土交通省Webサイト)