「水を考えるプロジェクト」はこのほど、10歳未満の子どもをもつ母親を対象とした「ママと水のトレーサビリティ」に関する調査の結果を公表した。
同プロジェクトは、"水"の安全性や選び方、活用方法をあらためて考え直すことを目的としている。同調査は、10歳未満の子どもをもつ母親500人を対象に、6月11日から12日にかけてインターネットリサーチを実施した。
水道水は不安? ペットボトル水は安心?
「食の質・安全性に対して意識が変わったことがあるか? 何がきっかけで変わったか?」と質問した。その結果、質に関しては「出産」が最も多く65.0%、次いで「妊娠」61.2%だった。安全性でも「出産」が最も多く78.0%、次いで「妊娠」が71.8%だった。
「妊娠前と妊娠後における家庭での飲用水の状態」について質問したところ、最も増えた項目は「ペットボトルの水」、次いで「ウォーターサーバーの水」という結果になった。「ペットボトルの水」を飲用していた人は妊娠前が37.6%に対し、妊娠後は47.6%と10.0%増加。一方で、最も減少したものは13.8%減少した「水道水」だった。
「妊娠前と妊娠後の水を選ぶ際に意識にしていること」について質問したところ、最も増加したのは「安全性」、次いで「ミネラル」という結果になった。妊娠前に「水の安全性」を意識していた人が37.6%だったのに対し、妊娠後は64.4%と約2倍に増えた。一方で最も減少している項目は「特に気にしていない」で11.6%だった。
「熱中症対策として子どもに飲ませるものは何か?」と質問したところ、最も多かったものは「麦茶」で80.4%、次いで「スポーツドリンク」が46.8%、「ペットボトルの水」が32.4%という結果になった。
「子どもに飲ませることをちゅうちょするものは何か?」と質問した。その結果、最も多くの人が選択したのは「臭いがある」で92.4%、2番目に多かったものは「沈殿物がある」と「濁っている」で92.0%だった。また、約半数の母親は子どもに「口飲み後1日経過」しているものを飲ませることにちゅうちょしないことが明らかになった。
水ジャーナリスト、橋本 淳司氏は、「多くの人がペットボトル水を(安全と)支持するが、実は水道水の基準は、ミネラルウォーターより厳密。ミネラルウォーターの基準を定めているのは食品衛生法で水質基準は39項目。水道水の基準を定めているのは水道法で水質基準は51項目。それぞれに共通する基準値7項目を比較してみると水道水のほうが厳しい」と解説。
さらに「ミネラルを補給することを期待してペットボトル水を飲む人がいるが、国産のミネラルウォーターは大部分が軟水であり、水道水にも同程度のミネラルが含まれている」としている。