スマートフォンの運用コストを節約できる"格安スマホ"(格安SIM)が注目を集めている。格安SIMとは、MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる事業者が、大手キャリアのネットワークを利用して提供する通信サービス。さまざまな事業者が参入し、各社それぞれ特徴のあるサービスを提供しているが、「各社のサービスはどう違うの?」「自分の使い方に向いているサービスはどれ?」などと疑問を感じている読者も多いかもしれない。

そこで本企画では、毎回個別の格安SIMサービスを取り上げ、その特徴を紹介していきたい。今回は、エキサイトが提供する「BB.exciteモバイルLTE」について紹介する。

SIMカード3枚を月額1,100円から利用できる「BB.exciteモバイルLTE」

ポータルサイトの「Excite」を運営し、インターネットプロバイダサービスの「BB.excite」を提供していることでも知られるエキサイト。同社が提供する格安SIMサービスが「BB.exciteモバイルLTE」だ。

エキサイトが提供する格安SIMサービス「BB.exciteモバイルLTE」

格安SIMには、"データ通信専用SIM"と、090/080/070番号の音声通話に対応する"音声SIM"の2種類があるが、同サービスでは、NTTドコモのLTE・3G網に対応したデータ通信専用SIMのみを提供している。

SIMカードのサイズは、標準SIM/microSIM/nanoSIMから選択可能。対応端末は、SIMフリー端末およびドコモのスマートフォン・タブレット・モバイルルーターなど。同サービスWebページで動作確認端末が確認できる。

BB.exciteモバイルLTEの料金プラン

料金プランは、SIMカード1枚のコースに加え、SIMカード3枚のコースが提供されているのが特徴だ。各コースとも、通信容量が月間0MB/1GB/2GB/4GBという4種類のプランが用意されている。通信容量があるときの通信速度は下り最大225Mbps、通信容量を使い切ったときの通信速度は最大200kbpsとなる。

なお、通信容量を使い切ったときも追加クーポンを購入すれば、通信容量を追加して高速通信を利用することが可能。追加クーポンの価格は250円/100MB(以下、金額はすべて税別)。また、余った通信容量は繰り越しができ、プランごとに毎月チャージされる通信容量は翌月末まで、追加クーポンで購入した通信容量は3ヶ月後の末日まで利用可能だ。

このほか、SMS機能に対応するSIMカードも選択でき、各プランの月額料金に140円を追加することで利用できる(別途、送信料が必要)。なお、SIMカードの最低利用期間は各プランとも2カ月間となっており、この期間は解約手続きの有無にかかわらず月額利用料が発生する。

BB.exciteモバイルLTEのWebページから申し込みが可能

申し込みは、同サービスWebサイトで受け付けている。申し込み後、数日でSIMカードが届き、自身で用意しておいた端末に装着して、端末側でAPN設定を行うことで利用可能だ。

BB.exciteモバイルLTEの特徴とは?

BB.exciteモバイルLTEの特徴は、SIMカード3枚のコースも用意しながら、データ通信専用SIMを安価で提供していることだ。とりわけ、複数SIMのプランとして、月間0MBから4GBといった低容量の選択肢を複数用意しているのは他社にはない特徴と言える。同社の担当者によれば、「複数枚のSIMカードをとにかく安く使いたい人におすすめ」とのこと。たとえば、SIM3枚の月間0MBプランの場合、月額料金は1,100円。SIM1枚あたりの月額料金は約367円で、「業界最安値水準」(同社担当者)となる。なお、月間0MBプランは、通信容量が最初からチャージされないプランとなるが、SIM3枚コースの場合、毎月100MBが自動的にチャージされる。また、SIM1枚のコースでも料金は比較的安価に設定されており、月間2GBプランの月額770円は「業界最安値水準」(同)だという。

前述の通り、同サービスではデータ通信専用SIMのみを提供しているため、具体的な使い方としては、通話に利用するメイン端末ではなく、"2台目以降"のスマートフォンやタブレット、ゲーム機での利用が中心になるだろう。スマートフォンに「LINE」をインストールして、安い料金で維持するといった使い方も可能だろう。

同社担当者によれば、「ブロードバンドサービス(のBB.excite)と同様に、良いものを安く提供すること」が、同サービスのコンセプトだという。また、購入後180日の制限期間が経過して、大手キャリアによるSIMロック解除が本格的に施行される「11月以降をひとつのターゲットとして捉え、サービスを拡充していきたい」としている。