キヤノンは7月30日、超高感度撮影が可能な多目的カメラの初号機として「ME20F-SH」を発表した。EFマウントを採用するため、キヤノンのEFレンズを装着可能だ。発売は12月上旬で、希望小売価格は税別300万円。
ME20F-SHは、2013年にキヤノンが開発したフルHD動画撮影専用の35mmフルサイズCMOSセンサーを、改良して搭載した多目的カメラ。センサーは有効画素数が約226万で、一辺19μmの大きな画素を持つ。キヤノンのレンズ交換式カメラ最上位機種にあたる「EOS-1D X」などに搭載されたCMOSセンサーに比べて、7.5倍以上の面積となる。
さらに、画素部および読み出し回路に独自技術を搭載。これらによって、最低被写体照度0.0005ルクス以下(最大ゲイン75dB時、ISO感度400万相当)の超高感度と低ノイズを実現した。人工照明や月明かりがない暗闇でも、星明かりなどわずかな光源だけで被写体を認識できるという。低照度環境下では赤外線投光によるモノクロ撮影が一般的だが、ME20F-SHでは赤外線投光なしでカラーのフルHD動画を撮影できる。キヤノンは、自然災害の監視や野生生物の生態撮影など、防災・防犯から映像制作まで幅広い用途を想定している。
主な仕様は、撮像素子が有効約226万画素の35mmフルサイズCMOSセンサー、マウントがキヤノンEFマウント(シネマロックタイプ)、フレームレートが59.94P / 59.94i / 50P / 50i / 29.97P / 25P / 23.98P。広いダイナミックレンジを実現する「Canon Log」「Wide DR」を採用。
映像出力端子として3G/HD-SDI端子やHDMI端子、Genlock端子としてBNCジャック、リモート端子としてφ2.5mmステレオミニミニジャック、丸型8ピンジャック(キヤノンのリモートコントローラー「RS-422」用)、マイク端子としてφ3.5mmステレオミニジャックなどを持つ。突起部を除いたサイズはW102×D113×H116mm、重量は1.1kg。動作温度は0℃~40℃。