原油価格下落で低迷

インフレ率2%が目標とされるなかで、原油価格下落の影響もあり、日本の物価上昇率は足元0%近辺で推移しています。

この物価の動きを把握するために総務省は消費者物価指数(CPI)を公表しており、今年は5年に1度の見直しが行われる年です。新基準は2016年7月から適用される予定であり、数値を押し上げるとの見方もあるため、注目が集まっています。

この見直しのタイミングでそもそも消費者物価指数(CPI)とはどのようなものなのか確認してみましょう。

消費者物価指数とは

消費者物価指数(CPI)とは物価の変化を測定するための指標で、昭和21年8月から毎月公表されています。

CPIを計算する上では、まず基準となる時点を決定し、その時の消費者の嗜好や生活水準などを考慮して品目を選び出します。基準時点でこれらの品目を購入するのにかかったコストを100として測定時のコストを指数化したものがCPIです。

これを他の時期と比較することで物価の変動を把握することができます。比較をする上では、前年比や前年同期(月)比など複数の種類があるため、注意が必要です。

時代を映す

CPIは計算するための基準時点や測定品目が5年おきに見直されるため、その時々の消費者の生活水準を把握するための指標としても用いられています。

今回の改訂では588品目が選ばれ、品目としてはお子様ランチなどが除外され、補聴器やリフォーム関連品目などが新たに加わりました。少子高齢化の影響が色濃く反映された品目となっています。他にも、電動アシスト自転車やコンビニのセルフコーヒーなど、現代のトレンドに沿ったものが調査の対象に加えられました。

難しそうな経済指標でも私たちの生活に深く関係しているものも存在します。少し踏み込んで調べてみると、経済指標も身近に感じることができるかもしれません。

2015年消費者物価指数基準改定の変更品目の一部

(出所:総務省のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成)

●ピクテ投信投資顧問が提供する、「ボンジュール」からの転載です。