10月22日~31日に開催される第28回東京国際映画祭のオープニング作品に、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演のロバート・ゼメキス監督作『ザ・ウォーク』(2016年1月23日公開)が決定し、最新予告映像が28日に公開された。
本作はすでに、9月25日~10月11日に開催される第53回ニューヨーク映画祭のオープニング作品にも決定したばかり。同映画祭のオープニングを飾った歴代作品は、アカデミー賞ノミネートをはじめ、批評家に絶賛される優秀作であったことが多いことで知られる。ニューヨークに続いてこのたび、第28回東京国際映画祭のオープニング作品にも決定し、公開に先駆け東京でもいち早く映画を鑑賞できることになった。
本作は、1974年にニューヨークのワールド・トレード・センターの間をワイヤーロープ1本でつなぎ、高さ411メートル、地上110階の道なき空間に足を踏み入れて、命綱なしの空中闊歩に挑んだ実在の人物フィリップ・プティの物語。公開された映像では、プティがフランスからニューヨークへ渡り、誰もが思いつかなかった冒険にチャレンジするまでの軌跡が描かれており、"100%未体験"の映像体験であることはもちろん、生死を賭けたヒューマンドラマが映された内容となっている。
ゼメキス監督は、アカデミー賞作品賞・監督賞を受賞した『フォレストガンプ/一期一会』をはじめ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『キャスト・アウェイ』『フライト』などの作品で常に新しい映像手法で観客を魅了し続け、また、きめ細やかな人物描写も定評のある人間ドラマの名手。監督は「実際に高位のワイヤー上で歩くというのはどういう感じなんだろう?」と疑問を抱き、「普通、人は見上げるだけだけれど、彼が感じていた経験をリアルに映像にするのは、今まで誰もしたことがない」と思い、フィリップの完全協力のもと映画化を実現した。そして、「地上411mを感じるため、当時の写真を3D化し、高さ、深さ、質感、空気感といったものにこだわって今までで駆使してきた映像技術を全て使った本作は、私にとっては集大成的作品と言える」とまで自信を見せている。
不可能にも思えるプティの壮大な挑戦は紛れもない実話。ゼメキス監督はプティについて、「アーティストであると同時に偉大な犯罪者かもしれない」と分析しながら、「映像が残っていないので作り話めいてもいるが、彼の思いは夢を追う誰でもが共感できるものだと思う」と称賛している。