ジェイティービー(JTB)は29日、2014年の日本人海外旅行マーケットの実態をまとめた「JTB REPORT 2015 日本人海外旅行のすべて」を発行する。同レポートによると、2015年は訪日外国人旅行者数が日本人の海外旅行者数を上回る可能性があるという。

海外旅行者数と訪日外国人旅行者数の推移

2015年の国際旅行収支は黒字化の見通し

2014年の日本人海外旅行者数は前年比3.3%減の1,690万人と、2年連続の減少。主要旅行会社の取扱額はほぼ前年並みだった。海外旅行の需要が国内旅行に比べて低調だった理由については、2014年半ば以降の円安進行や、燃油サーチャージが年間を通じて高止まりしていたことなどが影響したと分析している。

海外旅行者数(アウトバウンド)は2年連続で前年割れとなった一方、日本への外国人旅行者数(インバウンド)は2年続けて前年比2桁の伸びを記録。外国人旅行者が日本国内で消費した金額から日本人旅行者が海外で消費した金額を差し引いた国際旅行収支の赤字は、2014年には700億円まで縮小し、2015年には黒字化が見込まれている。

このほか、性・年代別の出国率(旅行者数を人口で割った比率)を前年と比べたところ、20代後半の女性の出国率が急減。テロや災害、感染症など、海外旅行に対して不安感をもたらす心理的要素の影響力は相対的にシニア層で強く、円安、燃油サーチャージなどの経済的要素の影響力は若年層で強くなっていたという。

同レポートはJTB総合研究所ホームページで販売する。価格は1万2,960円。