Android端末を買ってみたけど、画面がニュース記事などと違うじゃないか!と思ったことはないだろうか。事実、いわゆるGoogle標準の「Androidの標準的なホーム画面」というものは、実はほとんど存在しないも同然だ。どうしてこんなことが起きるのだろうか?

あれ、記事と違う!

これはNTTレゾナントが販売する「g02」(ぐーまるに)の画面だ。g02はOSにAndroid 5.0(Lollipop)を採用する端末だが、壁紙にLollipop標準のものが選べなかったり、日本語入力アプリがGoogle日本語入力ではなくiWnnだったり、「ホーム」「戻る」などのソフトウェアキーが表示されていないなど、いわゆる「Lollipopの教科書」的な記事を頼りに触ってみると、戸惑うことだらけだ。

g02の画面。Android 5.0採用だが「Lollipopの教科書」的な記事とは若干UIが異なる

こうした問題はSIMフリー端末だけでなく、キャリアが販売する端末でも起きている。端末を販売するメーカーごとにインターフェースが違ってはユーザーも混乱するばかりだろうが、現実には教科書通りのインターフェースを提供するAndroid端末のほうが少ない。

Androidの標準インターフェースとは?

Androidの最新OSが登場すると、さまざまなニュースサイトなどで先を競ってその画面を紹介する。この時紹介される画面は、何も手が加わっていない「素の」Androidだ。この「素のAndroid」が搭載されるのは、ほぼGoogleが直売する「Nexus」シリーズに限定されると考えていい。

Android 5.0「Lollipop」のホーム画面。新たに「マテリアルデザイン」を採用し、最近流行りのフラットなデザインが特徴だ

Nexusシリーズは他社の端末と比べて、数カ月~半年近くも早く最新OSを搭載する、いわば実験台の環境だ。今でこそ「最新OSをいち早く体験できるハイエンド端末」として一般ユーザー向けにも入手しやすくなっているが、元々は開発者が自分のアプリを新しいOSで動かしてみて不具合がないか、最新OSの機能を正しく実装できているかを確認するための叩き台という位置付けだった。

事実、Nexusシリーズはグローバルな端末で、世界中で同じ端末を販売する。このため、例えばワンセグ/フルセグやおサイフケータイといった、日本独自の機能は実装されない。また、キャリア側で独自に実装している機能についても同様にサポートしない。従って、付属するアプリ類も最小限の、主にGoogle純正サービスを利用するためのものしか用意されていないわけだ。