日本経済新聞社(以下、日経)は23日、英国の有力経済紙フィナンシャル・タイムズ(以下、FT)を発行するFTグループを、親会社の英ピアソンから買収することで合意したと発表した。全株式を8億4,400万ポンド(約1,600億円)で取得する。
「日経の下でFTはさらに繁栄する」
ピアソンが同日に開催した取締役会で了承した。買収価格はFTから引き継ぐ現金(1,900万ポンド)を含む総額で、日経が支払う価格は8億2,500万ポンドとなり、日本のメディア企業による海外企業の買収額としては過去最大規模となるという。
FTは1888年に創刊。世界有数の経済・ビジネスメディアとして影響力を持つ。一方、日経はアジアを中心とするグローバル情報の発信に注力。両社は今後、人的資源や報道機関としての伝統・知見を持ち寄り、強力な経済メディアとしての進化を目指すという。
また、FTはデジタル化の流れにも迅速に対応し、現在ではデジタル版の有料読者が約50万人と全体の約70%を占める。日経も電子版の有料読者が43万人を超えており、両社の顧客基盤を活用して様々なデジタル事業に取り組むとしている。
日経の喜多恒雄会長は「我々は報道の使命を共有しており、世界経済の発展に貢献していきたいと考えています」とコメント。
ピアソンのジョン・ファロンCEOは「FTの価値を最も高める道は世界的なデジタル企業と統合することであり、日経の下でFTはさらに繁栄すると信じています」と話している。