沼津港深海水族館(静岡県沼津市)は7月18日、シーラカンス・ミュージアムとして使用している2階の一部を改装し、新エリア「深海の世界」の展示を開始した。
生き物の見せ方を一新し、深海をよりリアルに体感
同エリアでは、"大人が楽しめる深海"をテーマにした新たな展示を実施する。エリア内の照明はシックなブルーを基調とし、5系統の水槽を用意。生き物の見せ方を一新し、深海をよりリアルに体感できるという。
人気のダイオウグソクムシの水槽では、泥状の砂を敷き、水深約800メートルの海底を再現。クジラなどの死骸を餌とする食性に合わせ、クジラの骨のレプリカを置くことで、本来に近い姿を観察することが可能となっている。
また、これまでの水深200m~800mの深海生物の展示に加え、実際には見ることが困難な800m~6,000mの深海を再現した約3分間のCGを上映。本来は潜水艇からしか見ることができない8種類の深海生物を、オリジナルの動画で再現している。
さらにエリア内には、特殊な樹脂を、体液などと交換することで標本を作る技法「プラスティネーション」で製作した深海生物標本を展示。深海生物に特化した「プラスティネーション」の展示は、他には例を見ないものとなる。
その他、ミラー効果を使用した演出や、深海の水温5℃と同じ温度に設定した水槽の手すりバー、シーラカンスの臓器を現代アート的なオブジェとして展示するなど、これまでの常識にとらわれない工夫を凝らしている。まさに、"大人がより深海の魅力を楽しめる"エリアとなっているという。