東京西川はこのほど、熱中症を予防する睡眠環境について明らかにした。同社認定の眠りのアドバイザー・スリープマスターの杉原桃菜さんが、快適な睡眠環境づくりについてアドバイスしている。

寝室は温度が25~28℃、湿度は50~60%程度が理想的

同社によると、熱中症は「高温」「多湿」「風が弱い」「閉めきった室内」などで起こりやすいという。初夏や梅雨明けは体がまだ暑さに慣れておらず、熱中症も起こしやすい。気温が下がる夜は油断しがちだが、就寝時にも熱中症が起こる危険があるため対策が必要であるという。

夏の寝室環境について、杉原さんは「温度が25~28℃、湿度は50~60%程度が理想的」とアドバイスしている。温度だけでなく湿度も調整することで、快適な環境が保たれるとのこと。エアコンの除湿機能やタイマーを使い、室温と湿度を調整する。扇風機を併用する場合は、風を壁に当てると涼しい風が部屋全体に行き渡るという。

通気性や吸透湿性の高い機能寝具を使用するのもおすすめ(イメージ)

寝具については、睡眠中の発汗によって上がる湿度を調整し、こもった熱気や湿気を解消する、通気性や吸透湿性の高い機能寝具がおすすめとのこと。「敷き寝具」は熱や湿気がこもりやすい背中部分に、通気性がよい敷きパッドなどを用いることで、寝苦しさがやわらぐという。

「掛け寝具」は、涼感のある素材、さらっとした肌触りの麻や綿、体に密着しにくい凹凸のある素材を用いたものがよい、としている。

また、入眠のコツとして「頭寒足熱」を挙げている。頭部を冷やし足元を温めると、上半身の熱が手足に移動するため脳の温度が下がり、入眠しやすい状態になる。「枕に装着できる冷感ピローパッドなどを使い、心地よく頭部を冷やすと全身が涼しく感じられ効果的です」(杉原さん)。

香りを眠りに取り入れることも効果的。特にペパーミントの香りは、体感温度を下げる効果があるとされている。例えば、お湯を入れたマグカップにペパーミントのアロマオイルを数滴たらすと、湯気とともに香りが部屋中に広がる。ハンカチやコットンに数滴たらして、枕元に置くのも効果的とのこと。

杉原さんは、就寝前の水分補給も大切であると語っている。睡眠中、人は体温を調節するために約コップ1杯分もの汗をかき、体の水分が失われるため、気づかぬうちに熱中症になることもあるという。こまめに水分補給ができるよう、寝るときは枕元に飲料を置いておくのもよい、とアドバイスしている。

熱中症は、年齢問わず誰でもかかる可能性がある。特に1日のほとんどをふとんの中で過ごし、体温調節機能が十分に発達していない赤ちゃんは、大人よりも熱中症にかかりやすいといわれている。

「赤ちゃんは発汗量も大人の2~3倍なので、通気性・放湿性に優れた寝具を使いましょう。掛け寝具では、ガーゼケットが肌にやさしく、通気性・吸水性に優れ、乾きやすくてお洗濯もラクなのでおすすめです」と、赤ちゃんの快眠に適した寝具についてコメントしている。