日本経済研究センターは15日、2015年5月の世界景気インデックス(景気指数)が前月比0.7ポイント悪化のマイナス4.7となったと発表した。世界的に生産・輸入の勢いが弱まっており、米国とEUで一歩後退した。指数で表す天気は前月と同じ「雨」だった。
米国は「曇り」から「雨」に悪化
米国は、雇用が堅調な回復を維持しているものの、生産、輸入が振るわず「曇り」から「雨」に悪化。鉱工業生産指数は、ドル高や原油安による石油・ガス掘削の低下が響き、前月比0.2%悪化した。設備稼働率も同0.2%ポイント低下したほか、輸入は化学、一次金属、輸送用機器などが減少した。
EUも、輸入の減少を受けて「薄日」から「曇り」に悪化。小売売上高(季節調整済み)は同0.2%増とプラスを維持したが、食料品などでの減少により前月の同0.7%増から伸びは鈍化した。新車販売台数は前年比1.4%増、輸入は同0.8%増にとどまり、ともに伸びは失速した。
中国は「嵐」。小売売上高は同10.1%増と前月から持ち直した。一方、鉄鉱石や原油などの資源の輸入数量はともに2桁減少し、内需の弱さが浮き彫りになった。
このほか、台湾では世界景気の停滞とスマートフォンの需要鈍化を受けて、電子部品などの生産に減速傾向が見られた。