経済協力開発機構(以下、OECD)は15日、報告書「デジタル経済アウトルック2015」を発表した。それによると、各国政府はデジタル経済がもたらすセキュリティなどのリスクに対応すべきと指摘している。
3分の2がオンライン・プライバシーに不安
OECD加盟国の中で、オンライン・プライバシー保護に関する国家戦略を持っていたり、同分野の研究予算を組んでいたりする国は存在しないことが判明。その理由は、同分野は司法当局が対応すべき案件だと見られがちだからという。
2014年の調査によると、29カ国中26カ国がブロードバンド・インフラ構築を最優先に掲げていると回答し、28カ国中19カ国がデジタル・プライバシーやセキュリティを優先順位で2位、3位に考えていた。将来について聞くと、各国はスキル開発を最大の目標に掲げ、次いで公共サービス改善、デジタル・コンテンツ作成を挙げた。
一方、全体の3分の2の人が前年より一層オンライン・プライバシーへの不安を感じており、インターネット上の個人情報が守られていると信じている人は3分の1にとどまった。また、半数以上の人が政府機関から監視されていると懸念していた。
アンドリュー・ワイコフOECD科学技術イノベーション局長は、ビッグデータやIoTの到来により、進化は非常に速まっているとし、「デジタル・プライバシー、セキュリティ、信頼、スキル、雇用に与える影響に対応できるよう確実に備えておかなければならない」と述べている。