厚生労働省は15日、2015年度の中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第2回)を開催した。同委員会の調査によると、最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の受給額を下回るいわゆる「逆転現象」がなくなり、全都道府県で最低賃金が生活保護を上回ったことがわかった。

生活保護(生活扶助基準(1類費+2類費+期末一時扶助費)+住宅扶助)と最低賃金 2014年度最低賃金 改定額反映版(出典:厚生労働省Webサイト)

生活保護と最低賃金の差、最少は北海道

現在の最低賃金は、全国平均で時給780円。同調査で、2014年度の最低賃金と2013年度の生活保護のデータを比較したところ、最低賃金で1カ月働いた場合の収入が生活保護の受給額を上回る地域はなくなり、全都道府県で最低賃金が生活保護を上回った。2014年は北海道や東京都など5都道県で最低賃金が生活保護を下回る逆転現象が起きていた。

生活保護と最低賃金の差を見ると、最も大きかったのは三重県の117円、最も小さかったのは北海道の9円となった。

一方、審議の際に参考資料のひとつとなる中小企業(従業員30人未満)の賃金上昇率(2015年6月1日現在)は前年比0.9%増と、前年同時期(1.1%増)と比べて0.2ポイント下落したことが明らかになった。

審議会は、7月末を目処に2015年の最低賃金の目安を示す予定。