東芝ライフスタイルは7月15日、キャニスター型掃除機「TORNEO V(トルネオ ヴイ)」の新モデルと、コードレスふとんクリーナー「TORNEO V cordless(トルネオ ヴイ コードレス) VC-CLF1」を発表した。同日に開催された製品セミナーでは、新製品の開発背景などが明かされた。
日本初の掃除機を作ったメーカーとして
まず、東芝ライフスタイル ホームアプライアンス事業本部 ホームアプライアンス第三事業部 事業部長 千田一臣氏が登壇した。千田氏は「東芝は日本初の掃除機を発売して以来、ずっと家事負担の軽減を追求してきた。サイクロン式の掃除機についても、国内メーカーでは先陣を切って開発してきたという自負がある。尖った機能を搭載したこともあったが、結局は吸引力、本体の軽さ、使いやすさが重要だと気付き、今回の新製品も"誰にとっても使いやすい掃除機"というコンセプトで開発した」と挨拶した。
東芝初のふとんクリーナーであるVC-CLF1については、「ふとんクリーナー市場はどんどん伸長しており、東芝としても無視できないカテゴリに成長している。後発ではあるものの、吸引力や使いやすさを考えぬき、具体的な形に落とし込めた」と自信を見せる。
【左】東芝のクリーナーの歩み。成功と失敗を繰り返してきたと語る。【中】これまでの製品開発の歴史から、吸引力と軽さの両立が不可欠だと確信したという。そのバランスを商品設計の際に重視した。【右】ふとんクリーナーは市場が伸長してきている |
刷新された「TORNEO V」
続いて、東芝ライフスタイル ホームアプライアンス事業本部 ホームアプライアンス第三事業部 商品企画部長 内藤順司氏が登壇し、製品紹介を行った。今回、TORNEO Vの新製品として発表したのは「VC-MG900」など4モデル。従来から搭載してきた「バーティカルトルネードシステム」は、新モデルからサイクロン部も分解して洗えるようになり、「バーティカルトルネードシステムクリア」へ進化した。ダストカップだけでなくサイクロン部も目で見て汚れが落ちるのを確認できるため、「より清潔に使ってもらえる」(内藤氏)という。
そのほか、掃除性能、排気性能ともにブラッシュアップされている。掃除性能では、イオンファイバーヘッドのブラシに新素材のセミソフトブラシを追加。3種の素材からなるブラシでさまざまな床材のゴミを取り除く。排気性能については、密閉モーターケースや高集塵フィルターなどの採用によって、約0.3μm以上の微細なチリを約99.999%キャッチする。
吸引力にも使い勝手にもこだわったふとんクリーナー
ふとんクリーナーとして発表された「VC-CLF1」は、東芝が手がける初めての寝具専用の掃除機だ。内藤氏はまず、ふとんクリーナーを購入した人と購入しなかった人の両方に取ったアンケート結果を紹介した。ふとんクリーナー購入者は「吸引力」「アレルギー物質を取る」という結果を期待している人がほとんど。一方の非購入者は「重い」「使いにくそう」という、使い勝手に対する不安の声が多かった。これらの結果を製品開発にも反映させている。
東芝が考える、清潔な布団を維持するのに必要なことは2つ。1つは布団の表面に付着するダニのエサ(ヒトの皮脂やフケなど)を吸い取ること。そしてもう1つは布団内部に潜むダニの死がいやフンをたたき出して吸い取ること。ダニの個体除去を目的とするのではなく、ダニのエサや死がい、フンを除去することを重要視している。
そこで、「パワービーターヘッド」を搭載するVC-CLF1が開発された。パワービーターヘッドは、上下振動でハウスダストをたたき出しながら布団生地の吸い込みも抑える「ワイドビーター」を持つ。たたき出されたゴミは、幅21cmの吸込口から効率よく吸引される。また、布団との接地面にはローラーを合計で4つ搭載し、操作性も確保した。1.8kgと軽量な本体重量も手伝って、短時間での布団ケアを実現。シングルサイズの敷布団であれば、約80秒でスピーディーに掃除が完了する。
実際に手にとってVC-CLF1を試したところ、サクサクと動かしても腕や腰に負担はかかりにくいと感じた。また、ゴミが残っている場合は、「ゴミ残しまセンサー」が手もとのランプで知らせてくれる。速く動かすとゴミを取りきれないのでは? と心配していたものの、2往復ほどでランプが消えてキレイになったことを教えてくれた。