マンフロットは14日、iPad Air 2 / iPad Airを一眼レフカメラの撮影サポートツールとして利用できる製品「Digital Director」を発表した。本体価格は75,000円(税別)で、7月31日から順次発売する。

iPad Air 2 / iPad Airで一眼レフカメラをコントロールする「Digital Director」

Digital Directorの概要

Digital DirectorはAppleの認定製品。無償で提供されるiPadアプリと連携することで、iPad上で一眼レフカメラのマニュアル設定が行える。ライブビューのモニタリング、正確なフォーカスの確保、撮影した画像のiPadへの保存、画像の編集、写真の即時シェアなどが可能。対応する一眼レフカメラは、キヤノン製とニコン製の一部機種(2015年7月現在)だが、対応機種は順次拡大されるという。

Digital Directorの利用イメージ(製品に三脚は含まれない)。Digital Director本体と一眼レフカメラは、USBケーブルで接続して使用

Digital Director本体とiPad Air 2 / iPad Airは、Lightningコネクタで接続(写真左)。iPadアプリは無償で提供される(写真右)

iPad内のマイクロチップと連動

マンフロットは、三脚、バッグ、ライトといった撮影機材を数多く取り扱っている。グローバルで展開しているが、なかでもアジアを最重要市場として、今後も新製品の開発や積極的な投資を行っていくという。マンフロット 代表取締役社長の川崎剛氏は、「スマートフォン、ドローン、アクションカムを含めて、様々なカメラの撮影機材、ソリューションの開発を行っていきたい。新しい撮影スタイルを提案していく」と話し、Digital Directorにも大きな期待を寄せた。

マンフロット 代表取締役社長の川崎剛氏(写真左)。マンフロットでは今後も、スマホやアクションカムなどを含めた様々なカメラの撮影機材、ソリューションの開発を行っていく

続いて、プロダクトマネージャーのソフィア・ブラッジオ氏が登壇し、Digital Directorの詳細な機能を説明した。Digital Directorの強みは、Appleが認定した信頼性の高いマイクロプロセッサ「ARM Cortex-A8 plus」を搭載している点。iPad内のマイクロチップと連動する高性能CPUを搭載したことによって、高いパフォーマンスを実現した。

プロダクトマネージャーのソフィア・ブラッジオ氏(写真左)。Digital Directorは、ソフトウェア、ファームウェアと同時に専用開発された、高性能CPUを搭載している(写真右)

前述の通り、Apple Storeで無償提供されるDigital Directorアプリでは、リアルタイム「ライブビュー」モニタリング、キヤノン製、ニコン製カメラのリモート撮影、マニュアル設定の確認と変更、静止画をiPadへダウンロード、簡単な画像の編集、画像のシェアなどが利用可能だ。iPad Air 2 / iPad Airの大きくて高解像度のRetinaディスプレイを通して、露出、ISO、シャッタースピード、絞り、マニュアルフォーカス、ホワイトバランスなどの調整も行えるので、フォトグラファーは画作りに集中できる。

Apple Storeで無償提供されるDigital Directorアプリを使って、セットアップから撮影、チェック、編集、管理、シェアまでを一括して行える

アプリのUI。iPadのタッチ操作によって、カメラの露出、ISO、シャッタースピード、絞り、マニュアルフォーカス、ホワイトバランスなどを調整できる

撮影に際しては、iPadのディスプレイ上で任意の位置をタッチして、フォーカシングが可能。選択したポイントを拡大表示して、より正確なフォーカスを得ることもできる。このほか、フォーカスの位置を赤色にハイライトする「フォーカスピーキング機能」も持つ。

iPadのディスプレイをタッチして、フォーカスを合わせられる

なお、Digital Directorと一眼レフをつなぐUSBケーブルは、最大で10mタイプまで対応。長いケーブルを利用すれば、カメラ本体から離れた位置でもシャッターを切れる。

撮影シチュエーションの例。最大で10mタイプのUSBケーブルに対応しており、カメラ撮影の幅が広がる

撮影後の静止画は、アプリ内で色やコントラストの調整、トリミングといった簡単な編集が行える。また、Facebook、TwitterなどのSNSへの投稿、Eメールへの添付などにも対応している。

カメラ、Digital Director、アプリの互換性(写真左)。Digital Directorで利用できる機能のまとめ(写真右)

Digital Directorは、「Digital Director iPad Air用」、「Digital Director iPad Air 2用」に分かれており、本体価格はともに75,000円(税別)。発売日はiPad Air用が7月31日、iPad Air 2用が8月予定となっている。

説明会では、Digital DirectorのCM動画も公開された

出席した記者から「キヤノンとニコン以外のカメラには対応しないのか」と質問があがると、ソフィア・ブラッジオ氏は「現在はキヤノンとニコンのカメラのみに対応しており、他社のカメラをつないでも動作することはない」と回答。ただ、こうした要望は多く寄せられているとのことで、「これからの検討課題」として今後の展開に含みをもたせた。