夏といえば、エアコン。そしてエアコンと言えば、電気代。そう、夏はどうしても電気代が高くなる季節。とはいえ、エアコンを使わずに熱中症になって病院のお世話になったら、余計な出費がかさみます。節電を意識した、エアコンの使い方、今すぐ見直しましょう!
上手に使わないと、電気代がムダに!
エアコンの節電準備はお済みですか? 今から約5年前に実施された、家電エコポイント制度のタイミングで、消費電力の少ない、いわゆるエコなエアコンへ買いかえられた方も多いのではないでしょうか。エアコンは、年々性能がよくなり、より少ない電力でお部屋を快適に保てるようになっています。もし10年以上前のエアコンを現在も使い続けているような場合、1割以上損をしている可能性があります。
「うちのエアコンは最新型だから大丈夫!」というあなた、省エネ性にすぐれたエアコンでも、使い方を間違えると、無駄に電力を使うことになるってご存知でしょうか。以下の点を確認し、上手にエアコンを使えるようにしておきましょう。
上手なエアコン使いのための7つのポイント
上手なエアコン使いのための7つのポイントをご紹介しましょう。
ポイント1. 窓から入る日差しを和らげ、室内に入り込む熱量を減らす!
グリーンカーテンやすだれなどを活用し、室内への熱の侵入を防ぎましょう。窓からの熱量は侮れません。
ポイント2. 室内温度は適温に!
エアコンは、冷房時に1℃高めに設定すると約10%も節電になるといわれています。冷えすぎにならないよう、こまめに温度調節を。
ポイント3. 運転を停止するより、温度設定。起動時は、「自動」で運転!
エアコンは運転を開始するときに、運転中より多くの電気を使います。節電のつもりで、運転スイッチの入切を繰り返すと、逆に多くの電気を消費します。部屋が冷えたと感じたら、設定温度の調整をし、冷え過ぎを防ぎます。また、節電のつもりでエアコンを弱風や微風で起動すると、部屋が快適な温度に達するまでに多くの時間がかかり、不快な時間が長引くばかりか、かえって電気をムダに消費してしまいます。自動運転は、部屋の温度を設定温度にするのに最も効率的な運転をする機能。これを使わない手はありません。
ポイント4. 冷房の風向きは水平に
理科の時間を思い出してください。暖められた空気は体積が大きくなり、密度が小さくなって、軽くなり上昇する、逆に冷たくなった空気は、密度が大きくなり重くなって下降します。エアコンの風も同じ空気です。だから冷気は部屋の下の方、床にたまります。なので、最初から下向きに風を送ると、床ばかりに冷気が溜まって、足元だけが冷えてしまいます。冷房運転の時には、風向きは水平に設定しましょう。また、サーキュレーターや扇風機などを併用し、部屋の空気をかき混ぜるのも効果的。エアコンからの冷気が落ちてきたあたりで、扇風機などを使用し、上に送り返してあげるつもりで運転すると、下ばかり冷えることなく、部屋がまんべんなく冷やされます。
ポイント5. 設定温度を下げるのではなく、風量をあげる
なんだかムシ暑いと感じた時、ついつい設定温度を下げがちですが、そんな時には、風量設定を強にします。風が起こることで体感温度が下がり、涼しく感じるうえ、設定温度を下げるよりも、消費電力が少なく、節電になります。もちろん、扇風機を使うのも◎。エアコンの風量を強設定にするのと同じように体感温度を下げる効果があります。
ポイント6. タイマー機能を活用しよう
熱帯夜でエアコンをつけたまま就寝する際も、明け方の比較的過ごしやすい時間になったらOFFになるよう、タイマーを設定して節電しましょう。
ポイント7. フィルターの掃除はこまめに、せめて2週間に1回は掃除を!
フィルターにゴミやホコリなどがつまると、冷房効果が弱まり、電気代で最大25%のムダが出るという噂も! フィルターの目詰まりは電気のムダだけでなく、異常音や水漏れ、臭い、ダニやカビの温床となり、アレルギーなどの原因にもなります。
エアコンの節電の盲点、ご存知ですか?
さて、ここまでは室内でのエアコン自体の使い方による節電法ですが、実は部屋の外にも盲点があるのをご存知でしょうか。それは室外機。なぜ、室外機が大事なのか、その役割を知り、節電対策をしましょう。
エアコンは、室内機(通常、エアコンと呼ばれているもの)と、室外機がパイプでつながれてセットでその役目を果たしています。冷房の時、室内機は、部屋の空気から熱を分離させ、涼しくなった空気を部屋に吹き出します。その時に分離された熱は、パイプを通って室外機へ渡され、室外機より戸外へ排出されます。この時、室外機そのものが熱い状態だと、効率よく熱を分離して排出することができず、より多くの電気量がかかってしまいます。この効率をあげてあげることで、節電になるのです。
以下のチェックポイントに留意して、室外機を見直しましょう。
室外機節電3つのチェックポイント
室外機節電についても3つのチェックポイントをご紹介します。
チェック1. 室外機に直射日光が当たっていない?
室外機に直射日光が当たって、熱くなると、効率が低下し、余分に電力が必要になります。日陰に設置するか、日陰への移設が無理な場合には、人工的によしずなどで日陰を作りましょう。また、打ち水をするなどして周辺の気温が下げることでも効率が上がり、節電効果があります。
チェック2. 吹き出し口の前面は開いている?
熱風の吹き出す吹き出し口の前は、必ず開けておきます。間違っても、吹き出し口の前にすだれなどを垂らさないで!
このタイプのカバーは、直射日光を遮る効果はありますが、冷房使用時には、前面が開いている方が望ましいので、逆向きに設置する、冷房使用時にはカバーを外すなどした方が、節電効果があります
また、背面も、十分な空気の通り道を確保するため、できれば壁から10cm以上離して置くことが推奨されています。
既に設置済で、今更10cm以上離すことが難しいという場合、室外機の配管が接合していない方を少し開くように、斜めに設置調整すると、節電効果があります。
チェック3. 周囲にゴミ、雑草などはない?
室外機の裏側には、室内機から排出された熱交換を行うため、薄いアルミ製の板状のものが大量に並んだ形状の放熱板があります。その隙間にゴミなどが溜まってしまうと、うまく放熱板が働かず、熱交換に余計な電力を使うことになります。冷房を使い始める前に、必ず室外機の周囲、そして裏側のゴミを掃除してあげましょう。裏側の放熱板のお掃除は、歯ブラシなどでホコリやゴミをかきだす、もしくは水などで洗い流せばOKです。
早めに見直し&対策して、快適に、しかも節電しながら夏を過ごしましょう!
株式会社回遊舎
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。