節約のためだけでなく、シンプルでコンパクトな生活を目指す人が増えています。そんな生活を実現するために役立つのが、モノやサービスを共有するシェアリングエコノミー。欧米で始まった考え方が、日本でも徐々に広がりつつあるようです。
シェアの代表といえば、まずはカーシェア
下図でもよくわかる通り、ここ5年ほどで急速に拡大しているカーシェア。コインパーキングの一角に置かれている、シェアカーを目にすることが多くなったと思いませんか。広がった理由は、15分単位で利用することができ料金は保険料やガソリン代込みで200円程度から、という手軽さと費用の安さ。自家用車が交通手段として欠かせないわけではない都市部の場合、利用頻度次第ではかなりの節約につながります。最近では、大規模マンションの場合カーシェアサービスが付いていることも多く、さらに広がる可能性が高いといわれています。
シェアサービスの対象は、自転車にも広がっています。「ドコモ・バイクシェア」が提供するサービスで、現在は江東区臨海部、千代田区、港区、横浜、仙台、広島、神戸で展開中。借りるのはGPSや通信機能を搭載した電動アシスト自転車。スマホで利用予約をしてエリア内にある駐輪場で自転車を借り、目的地近くの駐輪場へ返却するシステムで、料金は30分150円程度。駐輪場所を探す心配もなく、近距離をスムーズに移動できるため需要は広がりを見せています。
スペースや自分の空き時間もシェアアイテムに
貸会議室といったレンタルスペースは以前からありましたが、利用し慣れない人にとっては探すだけでもちょっとした手間。料金などを比較するのも簡単ではありませんでした。そんなスペースのレンタルを会議室などだけでなく屋上テラスや一軒家、隠れ家カフェ、リゾート地の豪邸など、「え? こんなところも」というところまで紹介しているのが「スペースマーケット」。貸し手は所有する施設の貸し出し可能時間をサイトに登録、借り手は施設や場所、人数などをもとに検索することができます。格安なスペースもありますから、友人達とのちょっとした集まりでも利用できそう。
時間が空いている人に仕事をお願いする、生活のシェアをマッチングするサービスを行っているのが「エニタイムズ」。部屋の掃除、料理代行から家具の組み立て、ペットケア、語学レッスンなどまで、その仕事内容はとにかくさまざま。時間の足りない日常を助けてくれるご近所さんを、自分に代わって見つけてくれるのです。家事サービスなどを依頼できる会社は以前からありましたが、エニタイムズは直接個人に依頼するので低価格。お願いするハードルがぐっと下がります。
モノを個人で所有したり、日常生活を自分だけで完璧にやろうとするのは悪いことではありませんが、そこには無理やムダが生じがちです。"シェアする"という発想を持つと、お財布にも気持にも余裕が生まれる気がしませんか?
<著者プロフィール>
鈴木弥生
編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。