中国株式下落

7月8日、中国株式の下落がアジア近隣に波及し、日経平均株価も今年最大の下げ幅を記録し、2万円を割り込みました。

2014年後半から国有企業改革への期待やさまざまな景気刺激策を背景に爆騰していた中国株式。2015年6月中旬に高値をつけてから一転、市場の過熱感から利益確定の動きが強まったことから下落し始め、下げ幅はここ3週間で30%まで広がりました。

中国は、株価下支え策を相次いで発表しましたが、効果が表れず、さらに7月8日に中国本土市場の大半の銘柄が売買停止になったため、パニックとなりました。

今や米国に次ぐ世界第2位の時価総額を誇る中国株式市場ですが、上海や深セン、香港など、複数の市場があります。

これを機会に今さら聞けない中国株式市場について整理しましょう。

上海、深セン、香港…

中国株式市場は2つに分かれます。

  • (1)中国本土市場(上海、深セン)

中国国内の個人投資家向け

海外投資家は認可を受けた場合投資可能

  • (2)香港市場(香港)

海外投資家向け

株価も違うの?

足元で株価暴落が騒がれている中国株式は、中国本土市場です。

同じ中国株式でも上海総合指数と香港ハンセン指数の値動きは異なります。

この違いは、取引する投資家層の違いにあります。投資のプロである機関投資家がほとんどおらず、海外投資家の投資も制限されている中国本土市場の約8割は個人投資家です。個人投資家は投資に関する知識が未熟であることに加えて国が株式投資を奨励したことなどから株価の値動きが一方向に振れやすくなったといえます。

中国株式市場の変動の影響を受けて銅などの商品価格も大きく動いているので、当面注視が必要です。

上海総合指数と香港ハンセン指数の株価推移(日次、2013年12月末=100として指数化、期間:2013年12月30日~2015年7月8日)

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

●ピクテ投信投資顧問が提供する、「ボンジュール」からの転載です。