米Microsoftは7月8日(現地時間)、携帯電話ハードウエア事業を縮小する再編計画を発表した。同事業を中心に最大7,800人を削減。Nokia Devices and Services (NDS) 買収に関連する資産の減損処理費用として約76億ドル、また再編費用7億5000万~8億5000万ドルを計上する。
Microsoftは同社の2015年度が終わる6月末に、ハードウエアデバイス全般を手掛けるMicrosoft Devices Groupを、Windows 10を開発するOperating Systems Groupに統合してWindows and Devices Group (WDG)とした。「プロダクティビティとビジネスプロセスの再発明」「インテリジェントなクラウドプラットフォームの構築」「パーソナルコンピューティングの向上」という3つの事業目標に沿った事業グループ改編であり、次のステップとして事業戦略に沿ってハードウエア開発事業に大なたが振るわれる可能性が指摘されていた。
MicrosoftのSatya Nadella氏(CEO)は社員に送ったメールの中で「(従来の)携帯電話事業を単独で成長させる戦略から、Windowsエコシステムを繁栄させるための戦略へと移行し始めた」と説明している。Lumiaシリーズの開発中止の噂もあったが、同氏は「近い将来に携帯電話製品のポートフォリオをより効果的かつフォーカスされたものに整え、モビリティの長期的な改革を実行できる力を取り戻す」と明言している。
NDSの買収以来、Microsoftはスマートフォン製品のアップデートを行ってきたが、ここ一年近くフラッグシップモデルと呼べるようなハイエンド製品の新モデルをリリースしていない。モバイル向けのWindows 10をリリースするタイミングで投入するようにスマートフォンのフラッグシップ・モデルの開発を進めているという報道もあり、それが事実ならWindows戦略を色濃く反映した端末になりそうだ。現在Windows Phone端末は低価格端末市場で少しずつシェアを伸ばしており、新興市場向けのWindows戦略を推進するためのWindows 10端末が登場する可能性もあるが、Microsoftのスマートフォンの製品ラインナップは今よりも絞り込まれるだろう。