マレーシアの首都クアラルンプールで、オリジナリティあふれるパーティーのコーディネートで人気の「MINT Events & Soirées(ミントイベント&ソワレ)」。ここで働くイベントデザイナー兼プランナーのミン・イー・タンさんを取材しました。ウェディングパーティーだけでなく、子供の誕生日会の依頼も多いというから驚き。日本ではまだあまり馴染みのないサービスですが、近年クアラルンプールでは、個人的なパーティーでもプランナーにお願いするという発想が浸透しつつあるようです。
■これまでのキャリアの経緯は?
大手家電メーカーのセールス&マーケティング、食品会社のマーケティングを経て、主人の仕事の関係で3年間上海に暮らしました。その後、グラフィックデザイナーの妹2人が2013年に始めた「MINT Events & Soirées(ミントイベント&ソワレ)」に加わり3年目です。イベントデザイナー兼プランナーとして、立案、準備、当日の進行まで、完全オーダーメイドでイベントのコーディネートをするのが現在の仕事です。ウェディングパーティーに加えて最近増えているのが、子供の誕生日会の依頼。クアラルンプールではショッピングモールなどにある子供用の遊戯施設が提供するパーティープランを利用したり、コンドミニアムのプールサイドにエアー型滑り台などをレンタルして誕生日パーティーを行うケースがトレンドになりつつありますが、さらにワンランク上のユニークな誕生日会をしたいという人達が私達のもとを訪れます。
■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?
フルタイムで働いていた会社員時代と自分達で経営する今の仕事とでは全くタイプが違うし、上海にいた3年間は働いていなかったので比べるのは難しいですね。現在の給料について不満はありませんよ。5歳と3歳の息子がいるので、融通が利く今のワーキングスタイルが合っています。
■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?
私達の強みは何といってもデザイン力。パーティーのテーマに沿ったロゴをデザインし、ユニークな会場デコレーション、テーブルセッティングを考えます。ゲストに配られるスイーツからグッズまですべてオリジナルデザインのパッケージでラッピングします。名前やイニシャルが入ったデザインは、今、とても人気があるんですよ。私達が一からデザインしたすべての物が、実際に形となって出来上がり、イメージ通りにセットされたパーティー会場を目にした時にはいつも感動します。そしてスムーズにパーティーが進み、お客様が楽しんでくれる姿を見て安心し、満足します。
■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?
とにかくいろんなお客様がいることですね。マレーシアには様々な民族、宗教の人がいますが、モダンなパーティーを希望して私達に依頼するので、宗教や伝統的な儀式の縛りはほとんどありません。それでもパーティーのテーマ、イメージ、予算、希望はホストの数だけ様々です。それを一つ一つ実現することがこの仕事の最大の魅力。やりがいもありますが、大変ですよね。私達のサービスの内容は一律ではなく、ホテルも食事の手配も、依頼されれば何でも対応するので仕事の幅は広いです。
先週も次のイベント会場となるランカウイに出張してきました。一度きりのパーティーで失敗は許されませんから、会場の下見にも手が抜けません。最近は国内のリゾート地やシンガポールなど、クアラルンプール以外からの依頼も増え、うれしい悲鳴ですが、人手が足りず忙しいですね。
■ちなみに、今日のお昼ごはんは?
オフィスの下のショッピングモール「パブリカ(Publika)」内のカフェでステーキサラダ(Warm steak salad/RM30)を食べました。「パブリカ」内にはレストランも、フードコート、スーパーもあるのでランチには困りません。日本食が大好きなので、週2回は日本食を食べますよ。
■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?
礼儀正しい、あとは綺麗好きなイメージです。日本食がとにかく大好きなので、日本といえば日本食! 昨年北海道に旅行に行きましたが、イクラ、ウニ、刺身……口に入れるものすべておいしくて最高でした。雪もフワフワでびっくりしました。
■休みのとりかたは?
基本は土日祝日休みなのですが、そうはいってもパーティーは週末がほとんどなので、働くことが多いです。主な連休はクリスマスと旧正月です。連休はまたぜひ北海道に行って、美味しいものをいっぱい食べて、息子たちにはスキー教室に挑戦してほしいですね。
■将来の仕事や生活の展望は?
おかげ様で、お客様の口コミやインスタグラムのフォロワーなどを中心に依頼が増え、オフィスも手狭になったので、広くし、スタッフも増やす予定です。まだ設立して2年なので、しっかりと続けていって、このサービスでクアラルンプールでトップといわれる会社になるのが目標ですね。同時に、大切にしたいのは仕事と家庭のバランスです。難しいことですが、このバランスは何より大事ですよね。