『交響詩篇エウレカセブン』など、数々の人気作品を手がけてきたアニメ制作会社・ボンズの最新作『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』が、10月からTV放送されることが明らかになった。
ボンズをはじめとして、アニメ『鋼の錬金術師』などで知られる水島精二監督、『烈車戦隊トッキュウジャー』などの特撮やアニメ作品に脚本で参加してきた會川昇氏、『スペース☆ダンディ』キャラクターデザインの伊藤嘉之氏など、日本屈指のクリエーター陣が集結して制作を行っている本作。キャストにも、主人公・人吉爾朗を演じる石川界人、星野輝子役の上坂すみれ、鬼野笑美役の豊崎愛生、柴来人役の鈴村健一など、主役級の声優陣が名を連ねている。
物語は、「神化」という架空の年代、高度成長によって発展する戦後20余年の日本を舞台に、「これまで数々のフィクションで描かれてきた、数々の"超人"たちが、もしすべて同時に実在していたとしたら?」という斬新な仮説を描く。日本政府は、秩序確保のための手段の一つとして、厚生省の外郭団体「超過人口審議研究所」を設立。通称「超人課」と呼ばれる彼らは、"超人"を発見・確保・保護し、安全に管理することを任務とする。メンバーである主人公・爾朗は、万能マシン・エクウスを駆り、"超人"たちを巡って起きる事件の解決に奔走していく。
爾朗を演じる石川は収録を前に、「この作品は原作がないので、僕の中にある爾朗のイメージと、シナリオライターさんや監督さんの中の爾朗のイメージとでは、ちょっとずつ違いがあると思うんです」と語り、「それらをスタッフの皆さんとすり合わせながら、整合性や統一感を持たせたて『人吉爾朗はこういう人間だ』というイメージを共有できるような役作りをしていきたい」と意気込みを明かした。
本作の設定を考案した原作・脚本の會川氏は、「1965年生まれの私にとって、ヒーローは最初からテレビの中にいた。特撮も、アニメも、時代劇も、刑事ドラマも区別はない。時には歌手やスポーツ選手もそれと同等の存在だった」と振り返る。「ヒーローたちを描いたあまたのフィクションが現実を含有していたのなら、彼らについて描くことはすなわち現実を描くことに他ならない」というアイデアを温め続けてきた會川氏にとって、本作はその構想を「やっと理解ある仲間を得て、一つの形にすることができた」作品であるという。會川氏は、「これが私の最後の作品でもかまわない。いや、これで引退という意味ではない。これから先ずっとこの作品を作り続けてそして死ねたら本望だ」と、作品にかける熱い思いを語った。
水島監督は會川氏から企画が提案された際、「ヒーローが多数存在する世界。アメコミのアベンジャーズのような、それぞれが主役級のヒーローのそろい踏み」していながらも、「その世界は非常に現実的」である点に魅力を感じたという。その原案をベースに、数年を要して練り上げられた本作品。水島監督も「機は熟した」と自信をのぞかせている。
(C)BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会