電通は2日、「シニア×働く」調査の結果を発表した。対象は50代後半に就労経験のある首都圏・中京圏の60~69歳2,600名。期間は、3月21日~25日。

男性の約8割、女性の約4割が「定年退職」

50代後半に働いていた対象者のうち、「定年退職」を経験した人は、男性は80.5%、女性は41.5%だった。また、定年退職年齢は男女とも平均 60~61 歳となった。

定年退職経験者に、定年後の仕事継続状況を聞いたところ、男性の71.9%、女性の54.6%が定年後も働くことを継続していることがわかった。

定年退職後の仕事継続

男性は60代前半・後半に関わらず7割以上が定年後も仕事を継続している。また、定年後引き続き働いている人のうち、56.6%が再雇用契約をして同じ会社やグループ会社で働いていた。

「働きたい」のに「働いていない」人、全体の約3割に

次に、就労希望と就業状況を質問。結果、「働きたい」と思っている60代男女の65.6%は、希望通り働いているが、34.4%は「働きたい」と思っているが「働いていない」ことが判明した。また、「現在働きたくない」と思っている人の25.0%は「働いている」ことがわかった。

「働きたい」意識別と現状の就業状況

女性の結果を見ると、60代前半の31.4%、60代後半の54.1%が働きたいと希望しつつも働いていない。シニア女性の働く場が限られていることがわかる。

現在の給与、60代前半の半数以上が「もっともらってもよい」

現状の働き方などについて、定年前に思い描いていたイメージに合致しているかどうかを聞いたところ、仕事の楽しさ、やりがい、若い人たちとの関係性、1日の忙しさについては、「イメージどおり」が5割を超えた。一方、イメージどおりでないことには、「休みがとりやすいこと」「手取り収入が少ないこと」が上位に挙がった。

定年前とのイメージギャップ(60代男女)

現在の給与について、60代前半は52.7%が「もっともらってもよい」と考えており、妥当だとする人は45.2%にとどまった。一方、60代後半になると、「妥当」が57.7%となり、「もっともらってもよい」が39.6%となった。なお、現在の手取り収入(1カ月)の平均額は、男性は60代前半が24.9 万円、60 代後半が18.8万円。女性は、60代前半で11.9 万円、60代後半で11.1万円だった。

理想の働き方を聞いてみると、男性は60代前半・後半ともに最多は「今まで培ってきた専門能力や知識を生かして働く」こと。次いで「給与は少ないけれどものんびり働く」、「自分の趣味を生かした職業につく」となった。一方、女性では、60 代前半後半ともに、最多は「パートタイムで比較的自由に働く」。続いて、「給与は少ないけれどものんびり働くこと」が上位に挙がった。男性では今まで培った能力を生かしたいと思う人がいるものの、男女とも「のんびり働く」ことを理想としていることが伺える。