2015年に入って食品関連の価格改定だけではなく、外食業界やテーマパークなどでも値上げラッシュが続いています。今回はその実態をまとめてみました。
テーマパークの値上げは、家族連れのお父さんに手痛い出費
今年に入ってから、食品をはじめ様々なものが値上がりしています。中でも外食やおでかけは家計の中での影響が大きいもの。お財布のことを考えると真っ先に節約するべきものと考えがちですが、値上げしたから全く使わないというわけにもいきません。上手に家計をやりくりするために、どんなものが、どんな理由で、どれだけ値上げしたのかをチェックしておくことが大切です。
2015年4月、ディズニーランド・ディズニーシーのチケット価格が改定されました。ワンデーパスポートの大人が6400円から、6900円、中人が5500円から、6000円、小人が4200円から、4500円となり、大人・中人は500円、小人は300円の値上げとなります。さらに、駐車場の料金も変更。平日・休日ともに2000円から、平日は2500円、休日は3000円になりました。休日に大人2人と小学生の子どもの3人家族が車に乗ってディズニーランドを訪れた場合を考えると、2300円の値上げとなる計算です。時期によっては、平日などの期間限定でお得なパスポートが販売されていることもあるので、ネットなどで調べて利用するのもいいでしょう。
また、同じアミューズメントパークであるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)も1日券のパスを6年連続で値上げを行い、今年の1月30日から大人の入場料金は6980円から、7200円となりました。
ディズニーランドやシー、USJの場合、値上げの理由は新しいアトラクションの開設による価値の向上や、更なる改善のためです。実際に、USJは新規アトラクションの影響で、料金値上げ後も入場者は増加傾向にあります。ただし、USJ開業当時の2001年は5500円だったこともあり、開業から14年間で1700円の値上げです。このまま更に値上げが続くのでは? という不安の声も出そうです。こういったテーマパークの値上げは、ファミリーで行くと値上がり幅も大きくなるので家族連れのお父さんには手痛い出費となりそうです。
材料費、人件費、光熱費の値上げで外食産業もコストアップ
一方、外食はどうなっているのでしょうか。牛丼チェーン店大手のすき家は、4月15日から牛丼並盛りを291円から350円に値上げしています。それに伴い肉と玉ねぎを20%増量しボリュームも増えていますが、単に牛肉を増量したから値上がりしているというだけではなく、人件費や電気代の高騰も理由として挙げられています。
また、カレーチェーンのCoCo壱番屋は、3月1日からロースカツなどトッピング七品目を258円から290円に値上げ。理由は肉類・乳製品の価格や人件費、光熱費の上昇に因るものだそうです。他にも、大手ハンバーガーチェーン・モスバーガーでは5月19日からモスバーガーやホットドッグなどのメイン商品31品目とドリンク類・サイドメニューがそれぞれ10円~50円の値上げとなり、こちらも同じく材料費の高騰による影響です。食品などの材料費の値上げが家庭だけではなく、さまざまな業界にも影響を及ぼしていることがわかります。
他にも様々な外食チェーンが値上げを行っており、ケンタッキーフライドチキンの「オリジナルチキン」、丸亀製麺の「かけ・釜揚げ・ざる」、ミスタードーナツではドーナツ14種類が対象になりました。このように、外食産業は現在大幅なコストの増加に直面しています。単純な原材料費の高騰から、円安による食材の調達費用の上昇、人件費・光熱費の負担増など、複数の要因が重なって値上げせざるを得ない状況になっているのです。
テーマパークや外食といった休日のレジャーの値上がりは、家計にじわじわと響いてきます。どちらも"たまの贅沢"で利用するところではありますが、家計に占める割合と値上がりの幅を考えつつ、家計の負担にならない範囲でうまく付き合っていくことが重要になりそうですね。
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株式会社回遊舎
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。