ソフトバンクモバイルが7月1日から「ソフトバンク株式会社」に商号変更した。これまでもソフトバンク株式会社は存在していたため、混乱する人もいるはず。現ソフトバンク株式会社について改めて整理しておこう。
事をシンプルに理解するために、今回の商号変更では、2社の名称が変わったことに注目したい。ソフトバンク株式会社は「ソフトバンクグループ株式会社」に、ソフトバンクモバイル株式会社は「ソフトバンク株式会社」に変わった。
ややこしいのは「ソフトバンク株式会社」がこれまでも存在していたからだが、社名変更の狙いを理解すると納得がいく。
5月に開催された2015年3月期の決算説明会での孫正義氏の説明によると、ソフトバンク株式会社から「ソフトバンクグループ株式会社」への変更については、ソフトバンクモバイル、ヤフー、アリババなどの企業を抱え、純粋持ち株会社としての位置づけを明確にするためとしている。一方、ソフトバンクモバイル株式会社が「ソフトバンク株式会社」に変更となったのは、モバイル事業を主体にモバイル以外の通信事業もカバーする意味合いを含むためとしている。
グループ企業を統括するのがソフトバンクグループ株式会社、モバイル以外の事業も手がけるから「モバイル」の文字を抜いて、ソフトバンク株式会社というわけだ。
ちなみに、現ソフトバンク株式会社は4月1日付けで、ソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、ワイモバイル株式会社を吸収している。モバイルのブランドとしてY!mobile(ワイモバイル)は残っているが、会社組織としてはすでに解散している。
短期間のうちに、大きな組織変更を行い、商号変更も行った現ソフトバンク株式会社。メディアを初め、今後、旧ソフトバンクモバイル株式会社は「ソフトバンク株式会社」の名称で取扱われることになるが、それが意味することを読み違えないようにしたいところだ。