和歌山電鐵の「社長代理ウルトラ駅長たま」の社葬が28日に執り行われた。同社サイトにて、代表取締役社長の小嶋光信氏による「地方鉄道の救世主:たま駅長に捧げる弔辞」が公開されている。

ありし日の「たま駅長」(和歌山電鐵提供)

1,000字超に及ぶ代表メッセージは、「21日に和歌山へお見舞いに行って会った時にはあんなに元気で、快方に向かっていると喜んでいただけに、いまだに信じられません」と、突然の訃報への悔やみの言葉から始まる。

駅での見送り・出迎えや見回りに加え、制帽姿でイベントや取材対応をこなすたま駅長の姿が人気となったことで、「成功する見込みがないと思われた地方鉄道に光があたり、市民の皆さんのご協力と相まって再生の道筋が引けました」と、「たま」駅長とともにあった同社の歩みを振り返った。

「たま」駅長の効果で注目を集めたことがひとつの後押しとなり、和歌山電鐵の公有民営方式が全国の地方鉄道のあり方のひとつとして法制化されたことを踏まえ、「和歌山電鐵と全国の地方鉄道の救世主として、神様の意を受けてこの世に現れたかのよう」と最大限の賛辞も。

弔辞は、「名誉永久駅長を命ず。これからも『たま大明神』として和歌山電鐵はじめ世界の地域公共交通を守ってください」とする最後の辞令で結ばれている。なお、6月28日の「たま」駅長の葬儀に関して、「ご参集いただきました方々、約3,000人」と和歌山電鐵は発表している。