総合転職情報サイト『マイナビ転職』は、全国の転職意向のある25歳・30歳・35歳の正社員696人を対象にした「2015年ベースアップの実態と転職意識調査」を実施した。調査期間は5月26日~6月1日。

ベアの結果に不満を抱いている人ほど転職意向が強まる

2015年春季の定期昇給およびベースアップ(以下、ベア)の有無を聞いたところ、51.0%が「定期昇給があった」、28.5%が「ベアがあった」と回答した。「定期昇給とベアの両方ともなかった」という回答も32.3%あった。

定期昇給・ベースアップの有無

業種別で見たところ、「定期昇給とベアの両方あった」は『製造・メーカー』が全体より8.9ポイント高い27.6%、『金融・保険』は6.6ポイント高い25.3%だった。「定期昇給とベアの両方ともなかった」は『流通・小売・フード(52.9%)』と『サービス・レジャー(43.7%)』に多く見られた。

年収別で見ると、年収が高いほど「定期昇給とベアの両方あった」と回答する割合が高い。上場の有無別では、「定期昇給とベアの両方あった」と回答した非上場会社に勤務する人が16.0%なのに対し、上場会社に勤務する人は約2倍の29.9%となっている。

今回のベア金額を尋ねると、最も多い回答は「5,000円以上」(24.7%)だった。次いで「1,000円~1,999円」(15.7%)、「2,000円~2,999円」(15.2%)となっている。業界別では、『不動産・建設・設備』の6割以上が「5,000円以上」と回答するなど、景気の良さを感じさせる結果となった。

ベースアップの金額

「ベアがなかった」と回答した人に、「ベアを実現するために必要だと思う条件」を聞くと、最も多い回答は「経営者の意識改革」(49.1%)、僅差で「会社全体の経費削減」(48.2%)が続いた。

「ベアの有無やベアの金額が転職意向に与えた影響」について調査すると、「定期昇給とベアの両方ともなかった」層と「ベア額が想定より少なかった」層は、「転職意向は強くなった」がともに6割を超えた。ベアの結果に不満を抱いている人ほど転職意向が強まることが分かった。

しかし、「ベア額が想定より多かった」のうち、「転職意向は弱くなった」と回答した割合は14.2%だった。ベア金額が想定より多いことは、転職意向を弱めるほど大きな影響を与えないようだ。

ベースアップ結果による転職意識の変化