夏になると巷で聞く節電方法の数々。中には「本当か?」と耳を疑うものもあるが、気になるのは「そのひと手間でいくら浮くのか?」だ。大して変わらないなら、潔く電気を使いたい場面もある。そこで、今回は家電に注目し、様々な節電の工夫を手間と電気代の両面から検証していこう。
■節電の夏、ちょっとの工夫で我が家の電気代はどれだけ浮く? |
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手軽に始めて効果大の節電「初級編」 |
生活習慣を見直してもっと節電「中級編」 |
省エネ家電に買い替えて快適&節電「上級編」 |
そこまでやるか!?「ドケチ編」 |
[基礎編]モデルケースで具体的な節電効果を掴もう
まず、大前提として利用しない家電の電源はこまめに切りたい。トイレの明かりを点けっぱなしとか、誰も見ていないテレビがずっと点いているといった無駄は、工夫以前の問題だ。
工夫の第一歩は消費電力の大きい家電を知ること。そうした家電ほど、節電の工夫を施したときに得られる効果は高くなる。一般家庭において消費電力の大きい家電は、夏場・冬場のエアコン、冷蔵庫、照明、テレビとなる。これらは使い方を工夫したり、利用時間を減らす、低消費電力の最新製品に買い替えるなどしたときの節電効果が高い。例えば、エアコンの利用が減る春や秋の電気代を、夏や冬のそれと比較すれば一目瞭然だろう。
ここでは、いま家にある家電で手軽に始められる工夫を[初級編]、根気や時間・手間がかかってライフスタイルの変化を伴う工夫を[中級編]、家電の買い替えや導入を必要とするなど初期投資が必要な工夫を[上級編]、そして最後に、節電のためなら多少の常識は気にしない人向けの[ドケチ編]と大きく4つに分けて紹介していく。
ただし、一口に節電と言っても、利用する家電はもちろん、住んでいる場所や世帯構成、生活習慣のちがいなどにより、消費電力量(すなわち電気代)が大きく変わってくる。そこで節電の効果をイメージしやすいよう、ある程度具体的なモデルケースを設定して、電気代の数値で効果を示すことにした。読者の環境と必ずしも合致しないかもしれないが、どういう環境でどんな工夫をすれば、どのくらいの節電になるのか掴みやすいと思う。
モデルケースは東京都郊外在住の"森川家"としよう。会社員の父、パートの母、小学生の息子と娘の4人家族だ。2009年に新居の一軒家に移り、家電はそのときの人気モデルで一新。以来、使い続けている。電力会社との契約プランは、東京電力の「従量電灯BC」の第2段階料金(1kWh=25円91銭)。この家族の8月の電気代が節電の工夫でどれだけ変わるか見ていく。
なお、今回モデルケースに想定する2009年の人気モデルは、GfK Japanが全国有力家電量販店の販売実績を集計した販売数1位の製品から選択した。上級編では同様に2014年の人気モデルを取り上げ、2009年の製品と電気代がどれだけ変わるか比較し、買い替えた場合の節電効果を見る。