楽天証券はこのたび、7月4日(予定)から、投資信託(投信)のサイトにて、楽天証券独自の投信評価スコア(ファンドスコア)を導入すると発表した。
ファンドスコアとは、各投信銘柄をカテゴリー別に分類し、運用の実績や安定性などの評価項目ごとに点数やレーティングを算出して相対的な位置付けを表したもの。投資家が個々の投資スタイル・目的に合ったファンドを選ぶ際の判断材料になるという。
従来のファンドスコアは海外の評価基準を元に作成されているものが多く、日本特有の投信属性などが考慮されていない面があり、そのため「関心のある投信を探せない」といった、カテゴリー分類が必ずしも適切とは言えない状況になっていたという。また、評価項目が複数あることによって、個人投資家が総合的な評価をしづらくなり、その結果として「どのファンドを選べば良いのか分からない」といった課題があったとしている。
こうした課題に対し、楽天証券独自のファンドスコアでは、カテゴリー分類を通貨選択型や投資地域、国内外のREITなど、国内投信の属性を反映しつつ、個人投資家の関心が高い分類区分に見直すことで、顧客のニーズにあった銘柄を検索しやすくなったという。また、評価項目を運用実績に絞り、かつ厳しい定量的な評価スコアを付与することで、銘柄同士の比較が容易になり、より好パフォーマンスな投信銘柄を選ぶことが可能になったとしている。
また、同ファンドスコアの導入にあたり、有識者による諮問委員会を設置。楽天証券社外からのモニタリングを通じ、同ファンドスコアの評価プロセスと運用に対する透明性や客観性の確保と、個人投資家向け情報提供の向上を図っていくとしている。
その他、同ファンドスコアの導入に併せて、投信サイト自体も大幅にリニューアルするという。具体的には、投資信託銘柄の詳細画面で、基準価額や純資産額などのファンドの基本情報をはじめ、取引手数料や運用管理費用などのコストをシンプルに集約し、分かりやすく表示させるほか、ファンドスコアのみならず、表示設定の自由度を高めたチャート機能など、「お客様の投信銘柄に対する理解と選択を徹底的にサポートする」ことに主眼においた改修を行うとしている。
楽天証券は引続き、顧客のニーズに即したサービスや商品を提供することで、さらなる顧客基盤の拡大を図っていくとしている。
楽天証券独自のファンドスコアについて
「より効率的な運用実績を残してきた投資信託」を厳選するための定量的指標
投資信託を選ぶ際の観点としては、運用実績、運用コスト、純資産の規模や資金流出入、運用プロセスや運用体制といった定性面など、様々な要因があるが、これらの要因は全て中長期的な運用実績に現れるという。このことから、楽天証券では運用実績にフォーカスした評価を行うとしている。楽天証券ファンドスコアは、「同じ分類に属するファンドと比較して、より効率の高い運用を行ってきたファンド」を絞り込むための指標だという。
楽天証券ファンドスコアは、「分類平均に対する超過収益率」と「分類平均に対する下方偏差」をもとに「楽天証券ファンドスコア値」を算出し、この数値を5段階(☆☆☆☆☆~☆)で定量的に相対評価した。
- 楽天証券ファンドスコアの付与
楽天証券ファンドスコアの付与にあたっては、同一分類に属するファンドの楽天証券ファンドスコア値を上位から並べ、その順位を下表の範囲に応じて5段階で相対評価。WEBサイト上では、計算期間1年、3年、5年、10年の推移を公表している。
リニューアル後の投資信託のファンド詳細画面
特徴
投資信託の主要情報を上部に分かりやすく表示/「楽天証券分類」、「基準価額」、「純資産額」に加え、毎月分配金ファンドなどの検索時に便利な直近分配金実績も表示する。また、買付手数料や実質運用管理費用を表示。取引にかかるコストを確認できる
大きく、多機能になったチャート/基準価額チャートにカーソルをあわせると、時系列での価額情報が表示される。また、最下段の「D」にカーソルをあわせると、分配金情報が表示される