英国ジャガー・ランドローバーはこのほど、未来の自動運転車両の実現をめざした新技術を搭載する「レンジローバー・スポーツ」を公開した。スマートフォンを介して遠隔操作が可能なほか、自動で車両を180度回転させる「マルチポイント・ターン」機能も搭載している。
公開されたのは、英国に拠点を置く研究チームが現在開発を進めている新技術を搭載した「レンジローバー・スポーツ」の研究車両。スマートフォンのアプリケーションで、ステアリングホイールやアクセル、ブレーキ、速度切替え操作ができ、ドライバーは歩きながら車両を危険な状況から安全に脱出させ、険しいオフロード地形を進ませることが可能となっている。
ドアが開けられないほどの至近距離に他の車両が駐車している場合、車外からスマートフォンを操作して自身の車両を動かし駐車場から出すことも可能。車内から確認しにくい位置に障害物がある場合、車外から障害物を避けるよう誘導することもできる。
もうひとつの新技術である「マルチポイント・ターン」は、路上で自動的に回転し、車体の向きを180度変えられる。これにより、行き止まりや狭い駐車場といった操作が難しい状況から抜け出せるようになるほか、多くのドライバーが不得意とする、混み合った道路や駐車場での3ポイント・ターンも簡単にこなすことができる。
このシステムでは、センサーを用いて利用可能なスペースを検知し、歩行者、車両、その他の障害物を自動的に避ける。ギアの選択、ステアリングホイール、ブレーキ、アクセル操作はすべてシステムが担い、車両の前方および後方への動きを必要最低限にする。
同社によれば、ドライバーに手動運転か自動運転かという選択肢を提供し、ドライバー次第で自動走行にも運転する喜びにも応えることが、ジャガー・ランドローバーのビジョンだという。