新生銀行および連結子会社のアプラスフィナンシャルは22日、海外プリペイドカード事業に参入すると発表した。
アプラスフィナンシャルの連結子会社、アプラスがVisaのメンバーシップを活用し、海外専用の「海外プリペイドカードGAICA」(ガイカ、以下GAICA)を発行、専用ウェブサイトを通じて申し込んだ顧客に対して、円でチャージして海外のATMから現地通貨を引き出す機能などを提供するという。さらに、新生銀行の「新生総合口座パワーフレックス」(以下パワーフレックス)の顧客に対しては、パワーフレックスの外貨普通預金から外貨を直接チャージできる機能や、帰国後に、余った外貨残高を外貨普通預金口座に戻せる機能などを提供するとしている。新生銀行とアプラスは、7月をめどに、速やかに取扱い開始することを目指すとしている。
GAICAは、満13歳以上の国内在住の顧客を対象とした、国際ブランドVisaを付した海外利用専用の年会費無料プリペイドカードであり、顧客は円でチャージした金額(1回あたり100万円以内)の範囲内で、「Visa」、「PLUS」マークの表示のある、世界200以上の国と地域、230万台(2014年12月末現在)のATMから現地通貨を引き出せるほか、チャージした金額の範囲内でVisa加盟店にてカードショッピングができる。カードへのチャージは、顧客がアプラスが指定する口座へ円資金を振り込む形で行う。
また、海外プリペイドカードのチャージ残高は専用ウェブサイトから顧客が指定する銀行口座に送金指示することにより、払い戻しが可能。さらに、GAICAのオプション機能として、顧客がパワーフレックスを利用の場合には、円に加えて、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドルの4通貨の外貨普通預金から、24時間いつでも外貨をカードに直接チャージし、あまった場合にはパワーフレックスの当該通貨の普通預金口座に戻せる「Flex機能」を利用できるため、さらに利便性が高まるという。なお、Flex機能は、GAICAの発行後に追加することも可能としている。
新生銀行では、第二次中期経営計画(以下第二次中計)における個人向け業務戦略としてグループ一体となった顧客基盤の拡大を目指しているという。また、リテールバンキング業務においては、「外貨サービスの新生銀行」として、13種類の取扱外貨数、外貨送金サービスの拡充や為替手数料の引き下げなど、商品やサービスの拡充に力を注いできたとしている。このたび、GAICAの取り扱いを開始することで、顧客に外貨の新しい活用手段を提供し、パワーフレックスの利便性の向上を図り、「外貨サービスの新生銀行」としての認知をさらに確かなものにしていきたいと考えているという。
アプラスフィナンシャルでは、成長戦略の一環として、子会社のアプラスを通じて、クレジットカード事業に続く新規カード事業として海外プリペイドカード事業に参入する。プリペイドカードは、クレジットカードに比べて、個別与信がなく利用対象者の幅が広いため、アプラスではプリペイドカード発行に適した新たな業態の企業へのアプローチにより、従来のクレジットカードなどの顧客に加え、新たな顧客基盤の拡大が期待できるという。このため、旅行代理店や学校法人など、海外でプリペイドカードを利用するニーズのある企業や団体に対して、発行提携を提案していくとしている。
また、新生銀行の口座を通じて外貨預金から直接チャージできるオプション機能を提供することで、すでに海外プリペイドカードを発行している他社との差別化を図るとともに、将来的には国内で利用可能なプリペイドカードの開発を検討するとしている。
海外への渡航者数は増加傾向にあり、海外観光消費は3兆円の水準に達していることから、新生銀行とアプラスフィナンシャルでは、海外プリペイドカード事業を通じて、第二次中計に掲げるグループ一体となったコア顧客の拡大に寄与していくとしている。