数多くの候補から自分好みのものを選択できるAndroidデバイス。高度なカスタマイズが可能なことも魅力であり強みです。しかし、その反面、わかりにくさを指摘されることもあります。ここではそんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「動画再生を基準に端末を選びたいのですが……?」という質問に答えます。

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スマートフォンの画面サイズは拡大傾向にあり、画素数も増えています。Android端末についていえば、いまやフルHD解像度(1920×1080画素)のディスプレイを搭載した端末も珍しくありません。ふだんテレビで見ている映像をそのままの解像度で鑑賞できるわけですから、通勤電車の中でドラマや映画を楽しみたい、という層にアピールするのも当然です。自分の目で見て画質に納得できれば、それだけでも端末選びの基準になります。

しかし、機種選定のとき忘れがちなのが「バッテリーのもち」です。スマートフォンのバッテリーのもちを判断する場合、内蔵バッテリーの容量(mAh)を見ることが一般的ですが、ことスマートフォンはそれにくわえていくつかの項目をチェックする必要があります。

ひとつには、SoCに用意された動画再生支援機構の性能が挙げられます。パソコンやスマートフォンで視聴される動画データは、ほぼ確実になんらかのフォーマットで圧縮(符合化/エンコード)されていますから、元に戻す(復号化/デコード)処理が必要になります。その処理は汎用的な演算を行うプロセッサ(CPU)で完結することも可能ですが、多くのSoCはハードウェアレベルの再生支援機構を持ちます。その性能の優劣が、バッテリーの消費ペースに大きく影響してくるのです。

動画再生支援機構の優劣は、SoCの型番から判断するか、スマートフォンのスペック表にある(かもしれない)動画の連続再生時間が参考になります。対応フォーマットに「H.264」や「MPEG-2」の記載あったとしても、電力消費量の大小とは直接関係がありません。

もうひとつは、動画再生時は点灯したままとなる液晶ディスプレイの省エネ性能です。スマートフォンのなかで液晶は屈指の"電気食い"部品ですから、省エネをうたう液晶を搭載した端末が有利なことは確かです。ただし、画像の更新頻度を減らせることが特徴のIGZOは動画再生ではそれほど省エネ効果がない(画面の一部でも動けば更新頻度は下がらない)、ということもありますから、動画の連続再生時間を優先的に評価すべきでしょう。

とにかくYouTubeなどの動画を長時間楽しめる端末がいいという場合は、バッテリー容量にくわえてSoCの動画再生支援機構の性能をチェックしましょう