日本で日常的な存在ともなっているコンビニエンスストアは、その便利さゆえに訪日外国人にも重宝されている。そんなコンビニの店舗数No.1と言えばセブン-イレブンだが、元々セブン-イレブンは米国発であることをご存知だろうか。
始まりは1927年。「朝7:00から夜11:00」のコンセプトは瞬く間に世界に広がり、その後、2005年にはセブン&アイ・ホールディングスの子会社であるセブン-イレブン・ジャパンのもとで、日本での展開を広げている。
そもそも米国ではガソリンスタンド内に展開していることが多かったので、現在、日本で展開されているような何でもそろう万能的な役割ではなかったよう。しかし、最近はそんな"日本スタイル"を取り入れ始めたコンビニも米国内には展開されている。そこで今回、最近米国内にオープンした新店舗のセブン-イレブンの様子をうかがってみることにした。
瓶のスタバは甘い仕上がり
訪れたのは、カリフォルニア州ロサンゼルス市から車で2時間弱離れたところにあるサンタバーバラ市内のセブン-イレブン。店内は新しいだけありとてもきれいだ。サンドイッチなどの惣菜から店内調理もの、そして、雑貨類も並んでおり、見た感じは日本のセブン-イレブンと変わりがないように思われた。
とは言え、飲み物の種類の多さはさすが米国! 特にコーラがたくさん並んでおり、「アメリカ人はコーラが大好き」ということを再認識させられる。特に米国のコンビニに行くならぜひ手に取ってもらいたいのが、スターバックスの飲料だ。中でもオススメなのが瓶タイプ。ただ、こちらは非常に甘いのでご注意を。また、日本でも話題になったエナジードリンクもそろっている。
エナジードリンクで言うと、日本でもおなじみのレッドブルでも日本では見かけないオレンジやイエローの缶もある。エナジードリンクは、日本製品と海外製品とでは内容成分が異なるので、気になる人は飲み比べてみるといいだろう。
エナジードリンク系の多さにびっくりするが、それにも負けずビールの種類も多い。米国では半ダースでの購入がメジャーなため、棚の列も多い。
焼きたてピザに寿司もそろう
店内調理品に注目してみると、ソーセージのほか、ベーコンで巻かれたソーセージたちがクルクルと回っている。また、トルティーヤで具を巻いて油で揚げたTaquito(タキート)も同じように回っている。このタキートは種類かがいろいろあり、3本セットで3ドルという安さも魅力的で、小腹が空いた時にピッタリ! なお、サルサなどのソースはかけ放題になっている。
また、店内でピザを焼くのも米国らしいところと言えるだろう。ピザそのものは冷凍されたものを使っているようだが、オーブンからアツアツのピザが登場すると、おいしそうなにおいが漂ってくる。
テイクアウト用の飲み物も充実しており、ビビッドカラーなフローズンがたくさん並んでいる。地元の人々にとっては、米国のセブン-イレブンの"顔"とも言える存在だ。そして、お決まりはこのサイズ。なんと1.5L近くあるというから驚きだ。
このような"日本スタイル"のコンビニの影響を受けて多様化しているコンビニは、米国内にはまだ多くはないが、ちょっと新しそうなコンビニを見かけたらのぞいてみるといいだろう。もちろん、その中には米国らしさもいっぱい詰まっているので、思う存分アメリカンな空間を楽しんでいただければと思う。
※記事中の情報・価格は2015年6月取材時のもの
筆者プロフィール: 佐々木 綾(ささき あや)
フリーライター。ニューヨークやパリにも居住歴あり、現在はロサンゼルスから発信している。ファッションとフード業界に精通しており、お酒好き! 実際に足を運びたくなるような取材を心掛けている。