NTT東日本は22日、自宅以外の場所で電話ができる仕組みとして広がった特殊簡易公衆電話(ピンク電話)のように、公共の場所や飲食店などにおいて、誰もが手軽にタブレット端末でインターネットを利用できるサービス「公衆かんたんタブレット(仮称)」の実現を目指したトライアルを実施する。

「公衆かんたんタブレット(仮称)」で採用予定のインタフェース

NTT東日本では、シニアユーザーを対象としたタブレット教室や体験型イベント「昭和レトロなふれあい広場」の開催などを通じ、ICT利活用の取り組みを進めてきたが、インターネットに馴染みのないユーザーでは、会員サイトなどへのログインに必要なID・パスワードの管理や入力の煩雑さ、表示画面のわかりにくさなどの障壁があることがわかったという。

今回開始するトライアルでは、NTT東日本は新潟県長岡市と山形県山形市の一部地域で、NFCによる個人認証機能を備えたタブレット端末を提供し、セキュアかつ簡易に利用できる認証機能に関する技術検証を、約3カ月間行なう。このトライアル結果をもとに、「公衆かんたんタブレット(仮称)」のサービス化やさらなるICT活用の取り組みを進める。

利用タブレットには、IDやパスワードが異なるサービスに自動ログインできる「簡単ログイン機能」を付与。トライアル参加者にNFC対応カードをなどを配布し、あらかじめインターネット上の会員サービスIDやパスワードを含む情報を登録しておくことで、カードをタブレットにかざすだけのセキュアで手軽なサービス利用を目指す。同時に、カードに連動した端末ロックやマトリクス認証の実用性、直感的なアイコンを配置したインタフェースの利便性を評価・検証する。

実施場所は、新潟県長岡市のタニタカフェ(新潟県長岡市大手通2-2-6 ながおか市民センター1階)、山形県山形市の七日町商店街の7店舗。株式会社タニタがプロデュースするタニタカフェでは2015年6月24日~同年9月30日、七日町商店街では2015年7月14日~同年9月30日の期間で実験を行なう。