亭主関白なんて言葉がもてはやされた昭和の時代と違い、家事や育児、教育への積極的な参加を求められる現代のお父さん。そんなお父さんをねぎらってあげる日が「父の日」という記念日。「父の日」は毎年6月の第3日曜日です。

もともとは米国発祥の記念日

デパートやスーパー、ECサイトなどでは、この時期になると「父の日」が連呼されるので、商業イベントと勘違い!? されることもあるかもしれませんが、「母の日」に比べていまひとつマイナーな「父の日」の由来が米国にあることをご存じでしたか?

20世紀初頭、ワシントン州に住むある男性は、妻に先立たれ、男手一つで6人の子どもたちを育てますが、子どもたちが全員、成人した後に亡くなってしまいました。

男性の娘、ドッドさんは「父に感謝したい」と、教会の牧師に頼んで父の誕生日である6月に礼拝をしてもらったそうです。この時ドットさんは、すでに存在していた「母の日」に対して、「父に感謝する日があればいいのに」と願ったとされ、これが「父の日」のきっかけになりました。

母の日のプレゼントの定番がカーネーションなのに対して、父の日にバラを贈ることが多くなっています。これは、ドットさんがお父さんの墓前に備えたのがバラだったからと言われています。

その後、「父親を讃える行事」はアメリカ全土に広がっていき、1936年には当時のアメリカ合衆国大統領リンドン・ジョンソンが父の日を称賛する大統領告示を発しました。さらに、1972年にはアメリカで正式に記念日として制定されています。

日本に父の日が伝えられた時期は定かではありませんが、高度成長期にデパートなどが行ったキャンペーンで一般に広まったと言われていますので、日本の「父の日」=商業イベント……という認識は、あながち間違いではなさそうですね。

執筆:野村佳代

株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役。編集・ライター。一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師。Webサイト「ビジネス文章力研究所」を運営している。

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