カルビーはこのほど、「フルグラ」事業の戦略発表会を行った。同商品は、ドライフルーツとシリアルの一つ「グラノーラ」を混ぜ合わせたもの。同社は、フルグラが第三の朝食となる"朝食革命"を狙っており、そのための新事業が発表された。
ご飯、パンに次ぐ第三の朝食
同社代表取締役兼CEOの松本晃氏は発表会の初めに、フルグラが朝食に新たな選択肢を与えることを説明。「2011年からフルグラは、健康ブームをきっかけに大きく成長し始めました。食物繊維を多く含んでいる上に塩分も少ないことが、生活習慣病の対策にもなることで注目され、今も好調に売り上げを伸ばしています。朝食でご飯、パンに次ぐ第三の朝食として名乗りを上げる"朝食革命"を起こしたい」と話した。
さらに、「現在カルビーは、スナック菓子市場で1位の売り上げを誇ります。朝食の市場でも1位をとりにいきたいですね」と意気込んだ。
フルグラはヨーグルトともに成長
同社代表取締役社長兼COOの伊藤秀二氏は、フルグラとヨーグルトを一緒に食べる「グルグラ」という新カテゴリーを新事業戦略として提案した。
「フルグラの売り上げは、2011年の37億円から2014年には143億円へと急成長。そのきっかけになったのがヨーグルトと一緒に食べることでした。フルグラとヨーグルトの組み合わせで新しい食の経験を提案していきます」とのこと。
グルグラ事業の三つの挑戦
伊藤氏は、グルグラ事業の拡大にあたって「機能+α」「地方発」「和朝食」という三つの挑戦を発表した。それはヨーグルトメーカーと提携して取り組む新事業だ。
機能+αは、「フルグラの機能に何か足すことはできないか」というのがコンセプト。今回はフジッコの「カスピ海ヨーグルト」とコラボレーションして、グルメの要素を加えた。両社は6月24日、「阪急うめだ本店」(大阪府大阪市)にプレミアムヨーグルト専門店「ヨーグラート by カスピア」をオープンする。
同店では、フルグラとカスピ海ヨーグルトを合わせた「ヨーグラート」を販売。1日の過ごし方や気分に合わせて選べる全7種類を取りそろえている。
地方発では、フルグラの売り上げが都市部に偏ってしまうという課題を解決するために、山口県のやまぐち県酪乳業とコラボレーション。
今年の初秋には、フルグラとヨーグルトがセットになった「フルグラヨーグルト」(価格未定)を九州で発売予定。地方の朝食にもアプローチをしていく。
さらに、洋食のイメージが強いグラノーラを和朝食として提案。不二製油と協力して「フルグラ 黒豆きなこ味」(税別540円前後)を8月31日に発売する。グラノーラをきなこ味に仕上げ、和食材の黒豆や柿をトッピングしている。
発表会の会場には、京都・祇園の老舗料亭「菊乃井」の主人である村田吉弘氏が監修したアレンジメニューが登場。不二製油の豆乳を使ったヨーグルトに温泉卵、のり、サケフレーク、いりごまを合わせた一品は、卵かけご飯を意識したとのこと。
グルグラは、第三の朝食になり得るのか。忙しくて朝ごはんを抜いてしまいがちな人も、ぜひ試してみてほしい。