静岡鉄道は19日、静岡清水線に導入する新型車両の製作開始を発表した。形式名はA3000形で、編成ごとに異なる7色の外観カラーリングを採用。総合車両製作所(横浜工場)に第1編成の製造を発注し、2016年春の運行開始を予定しているという。
新型車両の概要は昨年11月に発表され、8年計画で全12編成を導入予定としていた。今回発表された形式名「A3000形」の「A」は、「Activate(活性化する)」「Amuse(楽しませる)」「Axis(軸)」の頭文字であり、静岡市がめざすコンパクトシティの軸として、乗ること・眺めることを通じて人々を楽しませ、さらなるにぎわいを創出して静岡清水エリアの活性化を図る意味が込められている。
外観カラーリングのコンセプトは「shizuoka rainbow trains ~ひとつひとつ違う魅力を持ち、集まるとさらに魅力的になる~」。全12編成のうち7編成で異なる外観カラーを採用し、同社が創立100周年を迎える2019年度までに7色のラインナップが完成する。残り5編成は現在と同じ銀色ベースの車両を予定している。
外観カラーの名称は「Passion Red」「Pretty Pink」「Brilliant Orange Yellow」「Fresh Green」「Natural Green」「Clear Blue」「Elegant Blue」で、富士山やお茶、みかん、久能山の石垣いちごなど、7色とも静岡らしさを象徴するカラーをモチーフとしている。全長11kmの往復路線である静岡清水線に色とりどりの車両を導入することで、街を鮮やかに彩り、地方都市における新しい通勤電車のシンボルとなることをめざす。
総合車両製作所の横浜工場で製造される第1編成は、A3001(モーター付き車両)・A3501(モーターなし車両)の2両編成。その後も引き続き、約40年間にわたり親しまれた1000形に代わる新型車両として導入が進められる。A3000形では環境性能と安全性の向上も図られ、現行車両との比較で約50%の省エネルギー性能を追求するとのことだ。