4月24日の発売から約2カ月を経て、ようやくApple Storeでの店頭販売が開始されたApple Watchだが、早くも次世代モデルの噂が出始めている。ハードウェア的に大きな変更は加えられていないものの、FaceTimeカメラ搭載のほか、iPhoneから独立動作可能な機能の増加、さらには1000ドル以上の高級帯モデルの拡充など、いくつか細かい変更が検討されているようだ。
同件は関係筋の話として9 to 5 Macが伝えている。「Apple Watch 2」の仮称で呼ばれているが、2016年登場が見込まれる次世代モデルでは前述のようにFaceTimeカメラ追加のほか、iPhoneから独立してWi-Fiのみで動作する機能をさらに拡充させるなど、報道内容は、Apple Watch単体で利用可能な機能強化が図られるとの印象を受ける。実際にFaceTimeが搭載されるかを置いておいても、ハードウェアそのものを大きく改変せず、ソフトウェア的にWatchそのもので利用できる機能を増やしていくというのは理にかなった方針だといえる。
同様に、9 to 5 Macの記事ではバッテリに関してほぼ現行の性質をそのまま反映する可能性が示唆されている。これが意味するのは、バッテリ駆動時間や充電方式に関して現行モデルと変わりないということだ。一方で、Apple側では多くのユーザーが毎日の夜間充電に満足しており、さらにそのほとんどが概ね30~40%のバッテリ残量で1日を終えているという調査結果を得ており、最終的にエンジニアリングチームがApple Watchにおけるバッテリ改良の優先順位を落としたことも理由にあるとしている。
このほか同誌では、Sport、無印、Editionと3種類あるApple Watchに新たにモデルを追加し、特に高級価格帯といわれる無印とEditionの間、1000ドルオーバーの価格帯を拡充することを検討していると報じている。
Appleは現行のApple Watchをリリースする際、特に10万円以下の価格帯にあたる「無印」のラインナップがどれだけ売れるかに神経を払っていたといわれる。数があまり出ず、売上や利益ではそれほど多くを望めないEditionを除けば、一番利益率の高い無印モデルがある意味でApple Watchの成否を占うことになるからだ。フタを開けてみると、この無印の売れ行きの感触はそれほど悪くなく、ここである程度自信を得たことが1000ドルオーバーの価格帯の製品拡充という話につながっているのだと予測する。