マイナビは、2016年卒業予定の学生を対象とした「2016年卒マイナビ大学生就職意識調査」の結果を発表した。調査は3月1日~5月31日にかけて行い、1万2,526名から有効回答を得た。

海外勤務は半数の学生が消極的

「絶対に大手企業がよい」「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」とする大手企業志向は、これまで2年連続増加傾向にあったが、今年は42.9%(前年比2.0ポイント減)と減少に転じた。新卒採用を行う企業が増加し、就職率も改善傾向にあるにも関わらず減少している。

大手企業志向の推移

減少した理由については、就職活動のスケジュールが3カ月後ろ倒しとなり、大手企業の選考開始が遅くなったことで、先行き不透明な状況での不安感が影響しているからではないか、と分析している。

一方、「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」「中堅・中小企業がよい」とする中堅中小企業志向は、52.5%(前年比1.9ポイント増)となった。

企業選択のポイントでは、前年の上位3位だった「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」(40.2%)、「安定している会社」(26.3%)、「働きがいのある会社」(17.6%)がいずれも減少した。代わりに「社風が良い会社」(17.8%)、「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」(12.4%)が増加している。

行きたくない会社は「暗い雰囲気の会社」(36.0%)が16年連続で1位となった。2位は「ノルマのきつそうな会社」(31.0%)だが、共に減少傾向にある。一方で「休日・休暇が取れない会社」(27.4%)、「残業の多い会社」(11.4%)は共に4年連続増加しており、個人の生活と仕事の両立を重視する傾向がうかがえる。

海外勤務に関する志向では「海外勤務はしたくない」が前年より増加し54.3%となった。海外勤務志向と大手企業志向の関係を見てみると、「仕事内容に関わらず海外で勤務したい」という学生の大手志向は56.1%、「やりたい仕事があるので海外で勤務したい」の大手志向は53.2%とそれぞれ半数を超えている。

海外勤務志向

一方、「海外勤務はしたくない」学生は33.0%と明らかに低くなっており、海外勤務志向が高いと大手志向も高い傾向にあることがわかった。