「当店のポイントカードはお持ちですか?」。コンビニ、カフェ、洋服屋、今の時代買い物をしていたらまず聞かれる言葉だ。「この店にはまた来るし、ポイントが貯まるなら作っておこう」。気軽にあちこちの店で作ってしまったものの、気づいたら財布はカードでパンパン、スマホのホーム画面は店のポイントアプリでギュウギュウに。再来店時も財布の中に眠っているカードを探してレジは混雑……といった経験をしたことがある人は多いだろう。そんなわずらわしさから解放されるシステムがある。
そのシステムの名は「dodo(ドド)」。カード、スマートフォンアプリを必要とせず店頭のタブレットに携帯電話番号を入力するだけで、ポイント取得やクーポンなどの特典を利用することができるクラウド型ポイントシステムとなっている。
2012年に韓国でサービスを開始した「dodo」は、導入から1年でリピート率が平均56%向上し、店舗の売り上げに大きく貢献しているとのこと。サービス開始から2年半の現在、利用者数は400万人、導入店舗4,500以上を達成した。20~30代の女性ユーザーが最も多い割合となっている。また、韓国内ではナイキの各チェーン店で使える共通ポイントとして「dodo」を導入しているという。 2015年4月「dodo」に日本国内で本格的なサービスを開始した。
とにかく手ぶらで済むシステム
Spoqaの代表取締役・熊谷喜直氏いわく「dodo」は従来のポイントカードと比べ、もっともシンプルで簡単なシステムだという。店内のレジ横やカウンターに置いてあるタブレットに電話番号を入力するだけでポイントが貯まる。入会手続き時にレジ横で住所名前を記入したり、会計時に財布の中身をひっかきまわして探す必要はない。もちろん店舗ごとにカードやアプリを使い分けることもない。登録や再来店時の特典獲得、クーポン使用に至るまで電話番号を入力するだけで済む。ちなみに、店舗側からSMS経由でクーポンが届くこともある。
ポイント、クーポン内容は店舗ごとに様々な施策を取っている。「たとえば、桜木町のバーでは来店ごとに1ポイント付与のほか、店員とのダーツやカラオケ対決に勝つとポイント進呈というゲーム感覚で楽しめるサービスを実施しています。店長など役職に就いている人に勝つとポイントが増えたり、カラオケの点数がゾロ目だと1ポイント獲得など、店舗ごとに特典やルールが簡単に設定できるのも、dodoのメリットのひとつです」と、Spoqaのマーケティングスペシャリスト・渡邉まなみ氏は笑顔で語る。ほか、白金高輪のペットショップは購入金額から1%ポイント付与や、300ポイントでハブラシプレゼント、2,000ポイントでシャンプー+トリミングの2,000円割引などを行っている。店舗によってかなり太っ腹なポイント還元率を採用しており「dodo」が店内の盛り上がりにも貢献していることが伺える。
また、現在の取得ポイントを確認・管理したいという人は専用アプリで確認することができる(対応OS:iOS/Android)。「dodo」システム導入店舗一覧や現在の獲得ポイントだけでなく、特典入手までの残りポイント数などを確認することができる。
個人情報対策はどうしているのか?
「dodo」を利用する上で気になるのは、携帯電話番号を使用する上での個人情報の取り扱いについてだ。入力した電話番号を不正利用される不安があるかもしれないが、きちんと対策は取られている。まず電話番号入力時、タブレットに表示される番号の一部は隠されており、覗き見対策が取られている。店舗側も一部が隠された電話番号しか確認できないため、客の電話番号を所有していることにはならないという。そのため店舗から客に電話をかけることはできず、店舗側からできるコミュニケーションは「dodo」を通してクーポンを送ることだけだ。
「『dodo』は日本ではまだまだ浸透していないポイントシステムです。認知拡大のためにまず店舗側に向けての訴求をしないといけないと思っています。目標は1年で1,000店舗の導入です」と熊谷氏は意気込みを語っていた。Spoqaは「dodo」を使用したポイントシステムはサービスの入り口のひとつでしかないと考えている。今後「dodo」を使用した日本独自のサービスなども考えており、年内には実装される見込みとのことだ。
財布も会計もスマートになる「dodo」システム。レジでの混雑がなくなるのも、そう遠くない未来かもしれない。