タレントのデヴィ夫人(75)が17日、自身のブログを更新し、手記『絶歌』(太田出版)を出した神戸連続児童殺傷事件の加害者男性(32歳 / 事件当時14歳の元少年A)に向けて「お前は、一生苦しんでおれ!」などとメッセージを送り、同書の出版に反対であることを表明した。
デヴィ夫人は「『元少年A』の手記、『絶歌』出版差し止めと回収を!」と題し、1997年に発生した一連の事件を振り返りながら、加害者男性が同書で執筆の経緯を「自分の物語を自分の言葉で書いてみたい衝動に駆られた」と説明したことに触れ、「こんな凄惨な事件を"物語"だなんて!!自分のしたことの重大性や罪を認識していない証拠です!」と怒りをあらわにした。
さらに、書くことが「唯一の自己救済」とした加害者男性の主張を受け、「無邪気な子供を恐怖に陥れ、無残に殺害し、その上さらされたお子さんのご家族を無視した、とんでもない身勝手な行動」「私は、『お前は、一生苦しんでおれ!』と言いたい」と批判。「こんな男の気持ちなど、私達は知りたいとも思っていない」と心境を伝えると共に、「殺人がどうしていけないのかわからないのなら、わかるまで刑務所にいるべきでは」と提案した。
また、実名を伏せて出版したことについて、「『元少年A』という隠れ蓑の中にいずに、堂々とマスコミの前に顔を出し、実名を名乗ってご遺族・被害者の方々へ謝罪すべきなのではないでしょうか」。「それが無いのは、後悔の微塵もない証拠」「自分の"物語"を手記として出版するという傲慢さ、身勝手さは14歳の『少年A』の頃とひとつも変わっていません」と指摘し、「更なる早期の法律改正を望みます」と少年法の改正を強く求めた。
小学6年生の土師淳くん(当時11歳)を殺害された父・守さんは、出版の中止と回収を求めていた。発行元の太田出版は17日、自社のホームページにコメントを発表。「加害者の考えをさらけ出すことには深刻な少年犯罪を考える上で大きな社会的意味がある」「出版は出版する者自身がその責任において決定すべきものだと考えます。出版の可否を自らの判断以外に委ねるということはむしろ出版者としての責任回避、責任転嫁につながります」などを理由に、「私たちは、出版を継続し、本書の内容が多くの方に読まれることにより、少年犯罪発生の背景を理解することに役立つと確信しております。ご遺族にも出版の意義をご理解いただけるよう努力していくつもりです」と遺族側の要請を受け入れない意向であることを示した。