既報の通り、サンディスクは6月17日、USB Type-Cコネクタに対応するUSBフラッシュメモリ「サンディスク デュアル USBドライブ Type-C」を発表。7月から出荷を開始する。市場投入されるのは32GBの製品で価格はオープン、店頭予想価格は10,000円前後だ。

同日の記者発表会では、米サンディスクのバイスプレジデント、ディネッシュ・バハール氏が来日し、モバイル機器が抱える課題および解決策として、サンディスクの製品展開を語った。

米サンディスク リテール製品マーケティング部門 バイスプレジデントのディネッシュ・バハール氏。右手に持っているのが新製品の「サンディスク デュアル USBドライブType-C 32GB」

スマートフォンの台頭によって、一般ユーザーが記録するコンテンツは爆発的な増大を見せた。結果として一般ユーザーは、自身のモバイルデバイスで記録したコンテンツが、自身のモバイルデバイスからあふれてしまい、安全かつ共有可能な保管先を求めているという。これが、Save、Secure、Shareという3つのSだ。

爆発するコンテンツに関して、今回は容量ではなく数で表記していた。YouTubeの投稿動画を一人で全部見るのはもはや不可能

スマートフォンの容量不足は、多くのユーザーにとって共通の課題。また、安全性を求めるユーザーの比率も高い

サンディスクはメモリカードの老舗だが、ここ数年はさらに新しい領域においても挑戦を続けている。具体的には、スマートフォンに直接差し込めるフラッシュメモリや、Wi-Fiアクセスポイントにストレージを加えた製品が挙げられるだろう。今回はフラッシュメモリ製品の強化として、新しい領域であるUSB Type-Cコネクタに対応した製品を発表した。

サンディスクのモバイル向けポートフォリオ。まずは主力となるMicroSDHCカード。4K動画撮影にも対応する高速製品も取りそろえている

モバイル向けメモリ製品も今年(2015年)から日本で発売。こちらはiOSデバイス向けの「iXpand」で、128GB製品も追加投入した

Android向けのmicroUSB搭載メモリ製品はすでに発売中。日本では第二世代のUSB 3.0対応製品から市場投入された

同時に最大8人までの同時アクセスを可能とするワイヤレスメディアドライブ。日本市場では2014年10月から投入

立ち上がるType-Cマーケット、4年後には過半数に成長と予測

Type-Cマーケットは今後急速に拡大すると予測。ハイエンド製品好きな日本市場で言えばもう少し数字が高くなるのではないかという気がする

バハール氏は新製品投入の背景として、USB Type-C市場の急速な成長を挙げた。調査会社(Strategy Analytics:WSS)の資料によれば、昨年(2014年)まではType-C搭載のスマートフォンがなかったものの、今年(2015年)はすでにType-C搭載スマートフォンが売り上げベースで7.9%を占め、2019年には過半数を越えると予測している。

また、USB Type-Cコネクタの特徴として、スマートフォンやノートPC、タブレットと相性がいい薄型であること、上下の向きがないリバーシブルデザインであること、USB機器への高速給電にも利用できるという点を挙げた。

例えば、先日のGoogle I/O(開発者向けカンファレンス)だ。次期Android OS「Google Android M」では、Type-Cをサポートすることが発表されている。加えて、スマートフォンが自らのバッテリを使って周辺機器を充電できたりと、今後の発展性の高さを強調した。

USB 3.0 Micro-Bコネクタも存在するが、横に長いせいかあまり普及したとは思えない。Type-Cはリバーシブルかつスマートなので、こちらは普及しそうだ

Android Mの画面例。端子から充電するほか、端子から電源を供給してモバイルバッテリ化するPower Supplyという文字に着目

さて、新製品の「サンディスク デュアル USBドライブType-C」は容量32GBで、USB 3.0/2.0に対応する。一般的なUSB Type-Aコネクタに加えて、新規格となるType-Cの両方に対応し、回転式のカバーで使っていないコネクタを保護する構造だ。製品名に「Ultra」や「Extreme」が付いていないため、普及版としての位置づけではないだろうか。

モバイルメモリのポートフォリオ拡大として発表されたのが「サンディスク デュアル USBドライブType-C」となる

会見では、Androidユーザー向けに無償提供されている「サンディスク メモリゾーン」アプリも紹介された。Google Playから入手できるこのアプリ、300万ダウンロードを超え、評価も「★4.3」と高い。ファイルの閲覧やファイルコピー(内蔵、MicroSD、USBメモリとクラウドストレージを対象)のほか、ユニークな機能としてOptimemがある。

Optimemは、スマートフォン内蔵ストレージの空き容量が設定値以下になると通知したり、容量単位のファイル移動を行う機能だ。これによって、内蔵ストレージの容量低下とパフォーマンスの悪化を防止する。サンディスクによれば、ユーザーの約半数がOptimem機能を使っているという。

別途ダウンロードする「サンディスク メモリゾーン」アプリ。Optimem機能は、2014年3月のメジャーバージョンアップで実装された

【左】実際の使用例。日本ではまだType-C対応製品が少ない中で発表されたのは少々驚いた。【右】Android向けモバイルメモリ製品。今回の製品(右)はUltraやExtremeの名がなく、詳細なスペック表記もない。今後、より高速モデルになるであろう新製品と、ラインナップ拡大に期待したい