電通は15日、同社の海外本社電通イージス・ネットワークが、ブランド・コマース領域のケーパビリティー強化のため、英国Eコマース専門エージェンシーeCommera Global Limited(以下「eコメラ社」)の株式100%取得することについて、eコメラ社株主と合意したことを発表した。

拡大するEコマース市場、消費者との"ブランド接点"が課題に

「eCommera Global Limited」はブランド・コマース領域に強みを持ち、世界有数の小売業や消費財メーカーに対し、Eコマース・ソリューションの開発・提供、メンテナンス、コンサルティングを行っている。本拠地ロンドンを中心に、専門スタッフは世界各地で活動し、世界30市場で150以上のEコマースサイト運営を支援。また、同社はブルガリアとインドにEコマース関連の技術・サービス開発を行う「開発センター」を保有している。

全世界のBtoC領域でのEコマース市場は、2013年の1.3兆ドルから2018年には2.5兆ドルに拡大するとの予測がある。こうした市場拡大につれて、Eコマースサイトが消費者とブランドの最初の接点となる機会が益々増加していくと考えられる。さらに、実店舗との連動や対応デジタル機器の普及拡大に伴い、Eコマース自体のあり方も多様化している。そのEコマース領域を含むマーケティング業界全体の課題は、多様なブランド接点において、"いかに消費者のエンゲージメントを高めていくか"という「ブランド・コマース」。今回の買収はそれに対応するものとなっている。

今後電通グループは、グローバルネットワーク・ブランドのひとつで、フルサービスのデジタルマーケティング事業を行うIsobar(アイソバー)とeコメラの協業関係を深める。Eコマースのソリューション技術、クリエーティブやユーザー・エクスペリエンスをベースとしたブランド構築能力などの、消費者に対するデータ分析力を融合させながら、顧客ブランドの価値最大化に貢献していく。また、Isobarのネットワークを活用することで、さらにサービスエリアを拡大させていく予定だ。