2015年のCOMPUTEXでも、各社のブースにて、さまざまなPCケースの新モデルを見ることができたので、注目のアイテムをまとめてみたい。自由にケースを選ぶことができるのは、自作PCの大きなメリットの1つ。これから順次、発売されていくと思われるので、今後の自作プランの参考にしてほしい。

SilverStoneのブース

なお、以下の製品については、個別の記事としてすでに掲載済み。こちらも参照していただければ幸いだ。

SilverStone

RAVENシリーズのMini-ITXケースでは新モデル「RVZ02」が登場。従来の「RVZ01」と同様に、スリムケースながら、ライザーカードによりハイエンドのグラフィックスカードを利用できるのが特徴だ。RVZ02では、外観デザインが大幅に変わり、本体の厚さが105mmから87mmへと、さらに薄くなっている。

「RVZ02」では、窓付きモデルも追加される

2スロット厚、最長33cmの拡張カードが利用可能

またRVZ02と同構造のシャーシを採用し、外装が異なる「ML08」も発売される。大きな特徴は、持ち運びに便利なキャリングハンドルが搭載されたことだ。

キャリングハンドルが付く「ML08」

筆者も愛用しているTemjinシリーズでは、マイクロATX向けの「TJ08-PRO」が新モデル。従来機「TJ08-E」のような倒立配置ではなく、スタンダードな配置になったほか、サイズが6cmほど高くなっており、水冷ラジエータの設置スペースが用意された。3.5インチ/2.5インチベイが4つずつと、拡張性も高い。

人気ケース「TJ08-E」の後継モデル「TJ08-PRO」

インタフェースには、タイプCのUSBポート×2も

ケースの話題とはちょっと異なるが、最後に紹介したいのが、無線でPCを起動できるようになる拡張カード「ES01」。付属するリモコンのボタンを押すことで、POWER/RESETの信号を出力することができる。2.4GHzの無線を使っており、有効範囲は20m。壁掛けPCなどでは便利かもしれない。

無線でPCを起動できる拡張カード「ES01」

2ボタン(POWER/RESET)のリモコンが付属する

Lian Li

今回も多数の新製品を紹介していたのがLian Li。その中でも、まず注目したいのは強化ガラスを採用した"魅せる"系ケース「O(オー)」シリーズである。従来、スリム型の「PC-O7SX」「PC-O6SX」「PC-O5SX」などがラインナップしていたが、新たにキューブ型の「PC-O8WX」が登場した。

フロントとサイドが強化ガラスの「PC-O8WX」

右半分に電源とストレージが格納される

W341×H428×D404mmという大きさで、サイドパネルに加え、フロントパネルまで強化ガラスになっているというのが特徴。LEDも標準で付属するそうで、見た目はかなり派手だ。ケース内はマザーボードを格納するゾーン1(左半分)と、電源・ストレージを格納するゾーン2(右半分)に分かれており、効率の良い冷却が可能になっている。

また「PC-Q17WX」は、ASUSのR.O.G.認証を受けたというMini-ITXケース。電源をフロント側に搭載することで、マザーボード上の空間を確保、最高14cmまでのCPUクーラーの利用が可能だ。ドライブベイは、3.5インチ×4、2.5インチ×6と充実。スロットインのスリム光学ドライブを上向きに設置する点もユニークだ。

R.O.G.認定のMini-ITXケース「PC-Q17WX」

電源はフロント側(写真右)に搭載する

「PC-18」は、サイドパネルの内側、マザーボード上に36cmサイズのラジエータを設置できるというATXケースである。もう1つ変わっているのは、HDDケージの取り付け位置を前後2カ所で調整できること。後ろ側にすれば、空いたフロント側のスペースにラジエータを搭載することが可能となる。

「PC-18」のプロトタイプ。カラーはシルバーとブラック

この場所にラジエータを搭載するのがちょっと変わっている

見るからに試作だが、HDDケージを後ろにずらせるネジ穴が

Thermaltake

Thermaltakeのブースで面白かったのは「Core W」シリーズ。水冷でのカスタマイズ性を重視し、かなりの大型ケースとなっているため、日本の住宅事情を考えると導入にはやや難があるかもしれないが、スペックは強力。発売は未定で、製品名やスペックは変更になる可能性があるものの、各フォームファクタに対応する複数モデルが出展されていた。

E-ATX向けの「WP100」。サイドパネルはドアのように開く

とにかく大きい。48cmラジエータを2つ搭載しても余裕がある

こちらはATX向け。そのほかマイクロATX向けもあった

「WP200」はデュアルシステム。56cmラジエータを4つも使用

発売を予定しているのは、静音ケース「Suppressor F51」や、「Core V1」「同 V21」「同 X9」のカラーバリエーションモデルとなる「Snow Edition」など。

E-ATX向けの「Suppressor F51」。水冷に対応した静音ケースだ

「Core V1」「V21」「X9」のホワイトモデル「Snow Edition」

RAIJINTEK

RAIJINTEKのイチオシは、付属のリモコンで自由にLEDの発光カラーを変えることができるという「CRATUS」。電源の格納スペースを独立させ、エアフローを分離させたほか、フロントパネルを通常タイプとメッシュタイプから選べるという特徴もある。価格は100ドル程度と安いものの、フロントとトップに36cmラジエータの搭載も可能だ。

底部に電源スペースがあり、その上に2.5インチベイも

このリモコンでLEDの発光色や発光パターンを選べる

HDDのアクセスは逆側から。ファンの分岐基板も用意

冷却能力に優れる。上面にも36cmラジエータの搭載が可能

また安価ながら質感の高いMini-ITXケース「METIS」が現在発売中であるが、そのマイクロATX版とも言える「STYX」を投入する。METISと同様に素材はアルミで、カラーバリエーションは6色をそろえる。コンパクトながら、3.5インチ×3、2.5インチ×6、スリム×1と、豊富なドライブベイも用意されている。価格は90ドル程度の見込み。

カラーバリエーション豊富なアルミケース「STYX」

マザーボードは倒立配置。24cmラジエータの搭載も可能

会場で見かけたMODケース

またCOMPUTEXのブースでは、既存のケースをベースに改造したPCなども多数展示されていた。最後に写真だけ、ざっと紹介しておきたい。